「 ポジティブ心理学 」における人生の意義
今回は、人生の質を高めることを目的に科学的に研究されている「 ポジティブ心理学 」について解説していきます。
どうも! Kuです。
前回からの続きで、今回も『人生の意義』について、
世に出ている様々な見解を参考にしながら考察していきましょう。
今回のテーマは『ポジティブ心理学』です。
心理学 による人生の意義について
ポジティブ心理学
ポジティブ心理学(ポジティブしんりがく、英語: positive psychology)とは個人や社会を繁栄させるような強みや長所を研究する心理学の一分野である。精神疾患を治すことよりも、通常の人生をより充実したものにするための研究がなされている。
現代のポジティブ心理学は、1998年にマーティン・セリグマンが、アメリカ心理学会の会長に選ばれた際に、任期中の課題としてポジティブ心理学の創設を選んだことにより、新しい領域として開始した。
ニューソートの教義・自己啓発法のポジティブシンキングとは異なる。
ポジティブ心理学 – Wikipedia より引用
まあ要するに、
「幸せになる(人生の充実感を得る)ためには何をしたらいいのか?」を
統計学や心理実験をもとに考察された心理学のことです。
『ポジティブ心理学』は「ポジティブシンキング」や、単純な「快楽」とは区別されており、「人生の満足度を追求した学問」のことを指します。
ポジティブ心理学 の5つの柱
1.「Positive Emotion(ポジティブ・エモーション)」ポジティブ感情
ポジティブ感情を抱くことで、ストレスなどの対処力や回復力が高まります。
ポジティブ感情は「思考」や「行動」の幅を広げ、知識の取得、より多くの経験、人間関係の構築に有効です。
また、「ネガティブな感情(嫉妬や怒りなど)」を否定せずに、それを受け入れて改善に取り組むことも重要視されています。
『ポジティブ感情一覧』
- 喜び
- 愛情
- 思いやり(共感、信頼など)
- 感嘆(感心、感激、感動など)
- 尊敬
- 安心感
- 爽快感
- 楽しさ(ワクワク、充実感、面白さなど)
- 意気込み(期待、興奮、情熱、やる気など)
- 誇り(自信、謙遜を含む)
2.「Engagement(エンゲージメント)」没頭とフロー
「エンゲージメント」とは簡単に言うと、何か一つの物事に高い集中力を発揮し、自ら積極的なかかわりを持つ姿勢のことを言います。
『ワークエンゲージメント』とは、仕事に対し積極的な姿勢を持つことであり、
「活力(やる気)」「献身(やりがいと使命感)」「没頭(フロー)」の3つの要素があります。
何かの作業をこなしているときに、時間を忘れて物凄く集中しているときはありませんか? (ゲームとかブログとか読書とか)
その一つの活動に没入している状態を「フロー」といいます。
スポーツの分野では「ゾーン」と呼ばれており、「フロー状態」により高いパフォーマンスと成長をもたらすことができるようです。
3.「Relationship(リレーションシップ)」豊かな人間関係
友人や家族、恋人や仲間など、他者とのつながりや社会的な人間関係は幸福度に大きく影響します。
「良好な人間関係」を築くことは、幸福な人生を送るために欠かせない重大な要素のひとつとされています。
4.「Meaning(ミ―ニング)」人生の意味と目的
自分の価値観や生き方、人生の優先度、目的を明確にすることが、人生の満足度を大きく向上させます。
さらにその「人生の意味」が、他の誰かや社会、世界のためなど、より大きなかかわりの中でつながることで、人生の満足度は最良のものとなるです。
5.「Accomplishment(アカムプリシュメント)」 達成と成果
目標を達成し、そこから得られる爽快感や成長しているという実感が「自己効力感」を高めてくれます。
「アカムプリシュメント」とは、価値のある目標を追求していく姿勢であり、目標達成の継続が、より多くのポジティブ感情を生み出すきっかけになるのです。
ポジティブ心理学 の実践
1.「感謝に気づく」
(ポジティブ感情、リレーションシップ、ミーニング)
「感謝する習慣」を身につけることで、周りの人々に対する「ポジティブ感情」も育まれ、人間関係を良くすることができるようになります。
また人からの「感謝」は、「自分の強み」や「使命感」を見つける重要な手掛かりにもなります。
2.「自分の強みを知る」
(エンゲージメント、ミーニング、アカムプリシュメント)
「自分には何ができるのか」また、「どんなことで社会や身の回りの人々に貢献できるのか」を見つけること。そのためには「自分の強み」を知る必要があります。
自分の「強み」を明確にすることで、目標を適切に設定することができる。
まあ要するに、「自分の長所」を見つけて、その長所を使って「周りに貢献できる方法」を探すことが大切です。
3.「レジリエンス(精神的回復力)を高める」
(ポジティブ感情、エンゲージメント)
強いプレッシャーやストレスをはねのけられる精神力があることで、
「ポジティブ感情」を保ち、「エンゲージメント(積極性)」を高めていくことができます。
4.「何とかなるさ(楽観主義)の精神を持つ」
(ポジティブ感情、エンゲージメント)
「楽観主義」の精神を持つことで、失敗や不運に直面した際に、自分を責めて「自己効力感」やモチベーションを下げたり、「ネガティブ感情」から抜け出せなくなったりする「負のスパイラル」に陥ることを防ぎます。
『ポジティブ心理学』における「楽観主義」は、「リスクを考えない」というわけではなく「より良い方向(未来)を向くため」の考え方です。
言い換えれば「失敗しても前進するために前を向く精神」といっても良さそうです。
5.「 フローになりやすい条件を見つける」
(エンゲージメント、アカムプリシュメント)
「フロー」の状態になるには、
目標のフィードバック(成果に対する評価、振り返り)が明確になっていることと、
高い「集中力」が必要不可欠です。
『マインドフルネス』によって、「注意力」を高めておくことも有効です。
ポジティブ心理学 まとめ
『ポジティブ心理学』をまとめると、
- 「人間関係」を良好に保ち
- 社会や身の回りにも貢献できる「人生の目標」を持ち
- 日々その目標に「没頭」しながら
- 「達成」を継続して
- 「ポジティブ感情」で満たしながら人生の満足度を高めること
に「人生の意義」を見いだします。
…それがなかなか難しいところではありますが。
しかし、『ポジティブ心理学』の項目は、なんとなくでも人生の目標を立てる指針にはなるのではないでしょうか?
今の自分に足りないものを見つけるきっかけとしては、ゲームで例えると「人生のステータスを上げる」みたいな感覚でよいかと思います。
さて次回でこのシリーズも最終回。
次回は「哲学」からみた『人生の意義』について考察していこうと思います。
それでは!
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