【世界の心理学⑤】日常に潜む「○○ 効果 」一覧 part.2
どうも! Kuです。「世界の心理学」シリーズ、今回も前回から引き続き心理学の「 ○○ 効果 」について紹介していきます。
今回も「これは面白い!」と思えるものばかり選ばせていただきました。
単に心理効果の紹介だけでなく、その心理効果を応用した実例もセットで解説していきます。
何か一つでも応用できるものがあれば幸いです。
バーナム 効果 (バイアス)
アメリカの心理学者「ポール・ミール」が1956年に、P・T・バーナムの「誰にでも当てはまる要点というものがある」という言葉に因んで名づけました。
また、アメリカの心理学者「バートラム・フォア」がこの心理現象を実証するための実験を行ったことから「フォアラ―効果」とも呼ばれています。
この効果を使った代表的な物に「占い」や「心理テスト」があります。
この二つは特にこの効果を巧みに利用して相手の心をつかんでいるのです。
ちなみに、この効果は、「自分にとって都合のいい言葉」ほど効果を発揮するそうです。
《バーナム効果の特徴》
- 「あなたは」という「1対1」の表現を使っている。
- 曖昧な表現が多い。
- 「○○な傾向」や「ときには~」などの範囲を広げる表現が使われていることが多い。
- 多くの人に当てはまる心理傾向が「特別なこと」のように指摘されている。
《バーナム効果の例》
- 「普段あなたは○○ですが、ときには~になるときもあります」(時と場合による曖昧な表現)
- 「あなたは○○ですが、本当は~という願望を持っています」(「かもしれない」という0%ではないものを当てはまるかのように思わせている)
- 「あなたはひょっとしたら、○○という性質を持っている”可能性”があります」(「当てはまらないかもしれない」というどちらに転んでも当てはまる表現を使っている)
- 「あなたは○○という傾向があります」(「そうじゃないときもある」という意味を含ませている)
ヴェブレン 効果 (心理操作)
「高級車」や「ブランド品」「宝石などの貴金属」「ハイスペックな電化製品」などを売り出す際にこの効果が使われることが多いです。
この効果は、アメリカの理論経済学者である「ハーヴェイ・ライベンシュタイン」が1950年に出した論文のなかで提唱されました。
この論文の中では他にも「バンドワゴン効果」や「スノッブ効果」についても提唱されています。
- 「バンドワゴン効果」:「利用者が増えるほど需要が増加する」心理効果。「多数が所有している」=「価値のあるもの」という心理が働きます。
- 「スノッブ効果」:「誰もが持っていないものに価値を見いだす」心理効果。「誰もが手にできない」=「希少価値のあるもの」と認識します。「期間限定」や「数量限定」のものを欲しがる心理が働くのはこの効果によるものです。
ハネムーン効果 / ハングオーバー効果(モチベーション)
「ハングオーバー効果」とは、ハネムーン効果と対をなす心理効果で「やる気の高まっている状態が初期のころより低下してしまう」心理現象が起こることを言います。
- 新しい環境に対する期待感が高まる→ワクワク感からモチベーションが高まる
- 「期待していたこと」と現実のギャップを感じてくる→現状に対して不満が見えてくる
- 期待外れによる失望感によりモチベーションが低下する
「新学期」「転職直後」「年明け」「GWなどの大型連休明け」などのタイミングでこの2つの現象が起こりやすいと言われています。
ちなみに「ハングオーバー」とは「二日酔い」のことを言います。
「前日はあんなに楽しかったのに、今は最悪な気分」になる二日酔いとは、この効果を表すのにぴったりな名前ですね(笑)
ちなみに、転職を繰り返す人はこの二つの効果の影響によるものが大きいそうです。
ツァイガルニック 効果 (記憶)
これは、旧ソビエト(ロシア)の心理学者「ブリューマ・ゼイガルニク」により実証された心理効果です。
代表的な例としては、「TVCMによる番組の中断」「マンガやドラマなどの次回予告」などがこの効果を利用しています。
ハロー 効果 (印象)
この効果は、アメリカの心理学者「エドワード・ソーンダイク」が1920年に発表した論文のなかで初めて提唱されました。
ちなみに「ハロー」とは「神様などが放つ神聖な光」という意味の「後光」のことを指します。
「ある特定の目立つ要素」とは「経歴」「容姿」「資格や実績」「年齢」「出身地」などがあります。
ちなみに、マーケティングや広告などで使われている「3B」はこのハロー効果をうまく使ったものです。
「3B」とは「美人(Beauty)=きれいで魅力的」「赤ちゃん(Baby)=純粋無垢で愛らしい」「動物(Best)(見ていて癒される)」のことで、この「3B」の印象を利用して自然に商品やサービスの印象を高めることができるので、広告やCMなどで頻繁に使われることが多いです。
自己説得 効果 (交渉)
人は本来「自分の行動や選択は自分自身で決めたい」という欲求を持っています。
そして自分の意志で選択することで「自分で決めたことだからやろう」という心理が働きます。
ちなみに、「他者から選択を迫られることに対して嫌悪感がわき起こってくる心理現象」を「心理的リアクタンス」といいます。
また、この効果に関連したこうかで、「説得されればされるほど抵抗したくなる」心理が働く「ブーメラン効果」があります。
この3つの効果を見て判る通り、誰かを説得する際は「選択を強制する行為」はNGです。
あくまでも「相手に選ばせ判断させること」が説得において成果のある最も重要なポイントになります。
カッチサー効果 (交渉)
この効果では、心理学者の「エレン・ランガー」が行った実験が有名です。
被験者がコピー機の順番待ちの列の先頭へ行き3通りの言い方で頼む。 要求のみを伝える:「すみません、5(20)枚なのですが、先にコピーをとらせてもらえませんか?」 本物の理由を付け足す:「すみません、5(20)枚なのですが、急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか?」 もっともらしい理由を付け足す:「すみません、5(20)枚なのですが、コピーをとらなければいけないので先にコピーをとらせてもらえませんか?」 枚数が5枚の場合、要求のみのときの承諾率は60パーセントであるのに対し、本物の理由を付け足したときの承諾率は94パーセントであった。しかし、もっともらしい理由を付け足したときでも、承諾率は93パーセントに達した。 枚数が20枚の場合、要求のみのときの承諾率は24パーセントであるのに対し、本物の理由を付け足したときの承諾率は42パーセントであった。もっともらしい理由を付け足したときの承諾率は24パーセントにとどまった。 人に何かを頼む時に単に「○○してもらえますか?」と言うよりも「○○なので、○○してもらえますか?」と理由をつけると承諾されやすい。ささいな頼みごとの場合は、頼みごとの内容とあまり関係のない理由、こじつけでも承諾されやすい。 カチッサーの語源はテープレコーダーの再生ボタンのカチッという音と砂嵐のサーという音である Wikipedia「カッチサー効果」より引用
上記の例を見て判る通り、何か人に頼みごとをする際は必ず理由もセットで依頼すると承諾率が上がります。
アンカリング 効果 (バイアス)
「アンカー」とは船舶のイカリのことで、その情報の周囲に「留める」という意味で使われています。
つまり、先に与えられた情報が「アンカー」になって、その情報を基準に物事を判断しやすくなってしまうということです。
よくある例としてはタイムセールス時の値段表示が挙げられます。
ただ値下げ後の価格だけ表示するよりも、元の値段も合わせて表示した方が「商品が安くなった」印象を持たれやすくなります。
「値下げ価格7500円!」→「もともとの価格10000円を25%値下げ→7500円で提供!」とした方が「お得感」が感じられ売れやすくなるということです。
心理効果 まとめ
- バーナム効果:誰にでも当てはまる曖昧な表現を自分特有のものであるという受け取り方をする心理現象のこと。占いや心理テストなどで活用されている。
- ヴェブレン効果 :「高価なもの」=「誰もが手にできない価値のあるもの」と思い込い購買意欲が上がる心理現象のこと
- ハネムーン効果 / ハングオーバー効果:新しい環境でやる気が高まることを「ハネムーン効果」といい、そのハネムーン効果の反動で次第に最初の頃よりもモチベーションが低下してしまうことを「ハングオーバー効果」という。
- ツァイガルニック効果:「中途半端にしたことほど記憶に残り続ける」心理効果のこと。
- ハロー効果:「ある特定の印象」がその他の印象に影響を与えること。
- 自己説得効果:「自分で考えて判断したこと」ほど行動に移しやすくなる心理効果のこと。
- カッチサー効果:理由をつけて依頼することで承諾率が高まりやすくなる心理効果のこと。
- アンカリング効果:先に与えられた数字などの情報によってその後の行動や判断が影響を受けること。セール時の値段は値下げ前の値段もセットで表示することで「お得感」が増す。
コメント