先延ばし防止に使える15の心理テクニック【すぐに役立つ心理テクニック⑤】
どうも、Quです! 今回は、「 先延ばし防止に使える心理テクニック 」について解説していきます。
先延ばし対策に使える心理テクニックってありますか?
先延ばしは、行動を遅くするだけでなくメンタルを圧迫して集中力を下げる原因にもなるので早めに対処していきたいですね。
それでは、使える心理テクニックをいろいろ見ていきましょう!
◆この記事でわかること
◇こんな方におすすめ
- 先延ばし防止に関する心理テクニックを知りたい人
- 先延ばしグセで悩んでいる人
- 今よりもっと行動量を増やしたい人
そもそも、なぜ先延ばしが起こるのか?
先延ばし対策の心理テクニックを知る前に、まずは先延ばしが起こるそもそもの原因をみていきましょう。
先延ばしの原因を探ることで、先延ばしの性質や仕組みを知り、今後のテクニックに活用していきます。
先延ばしの原因は多岐にわたりますが、主に以下の5つのような心理的要因が挙げられます。
- 「楽観的すぎる認識」:将来の影響を深く考えず、楽観的に構えてしまうことが原因となることがあります。このため、タスクを後回しにしがちです。
- 「回避欲求」:やりたくないことから逃避したいという欲求が強く、ストレスを避けるために先延ばしをしてしまうことがあります。
- 「完璧主義」:完璧を求めるあまり、細部にこだわりすぎてしまい、結果としてタスクに着手するのが遅れることがあります。
- 「心理的ストレス」:やるべきタスクに対するストレスが大きく、そのストレスから逃れたいという感情が先延ばしを引き起こします。これは「感情的な調節」として知られています。
- 「認知的な歪み」:「まだ時間がある」「急いでやらなくても大丈夫」といった認知の歪みが、先延ばしを助長することがあります。
つまり「今焦ってやらなくていいや」「今は疲れるからやりたくない」「めんどくさい」「大変そう」「まだ時間があるから大丈夫」といった考え方を持つことが先延ばしの主な原因になるわけです。
この言葉が出て来そうになったら、以下の言葉に置き換えてみましょう。
考え方を修正することでメンタルを調整し、メンタルの状態から引き起こされる行動を変えていきます。
- 「今焦ってやらなくていいや」→「簡単にできることであるなら、今のうちに早めに片付けておこう。そうすればもっと余裕ができて後が快適になるはずだ」
- 「今は疲れるからやりたくない」→「15分だけ仮眠して、その後やれるとこだけやろう。少しでもやらないよりはまし。今やらないとどうせ後もやらなくなる」
- 「めんどくさい」→「今やらないと仕事が溜まって、さらにもっとめんどくさくなりそう。未来の自分が困るからとりあえずさっさとやろう」
- 「大変そう」→「とりあえず5分間だけやってみよう。調子がよかったらもっとできるとこまでやればいい」
- 「まだ時間があるから大丈夫」→「時間って気づいたらあっという間に過ぎるよな。早めに処理した方が後々絶対楽になるから今のうちにやっとく方が絶対にいい」
「今やることで、気分がスッキリして未来が楽になる」「仕事が早く片付けば嬉しい」この考え方がしみ込めば、勝手に先延ばしは消滅していきます。とにかく、「心を軽くする方法」「早く終わらせることへの快感」を見つけていくことが大切です。
先延ばし防止に使える心理テクニック
先延ばし防止に使える心理テクニック
先延ばしを防ぐためには、さまざまな心理効果や心理テクニックを活用することが効果的です。
以下に、先延ばし対策に使える主な心理効果や心理テクニックを紹介します。
- 先行オーガナイザー
- タイムボクシング
- ポモドーロ・テクニック
- イフゼン計画法
- 2分ルール
- 5秒ルール
- 作業の分割・スモールステップ
- デッドライン効果
- 目標と期限の視覚化
- ヴィジュアライゼーション
- 環境の最適化
- 報酬システム
- アカウンタビリティパートナー
- ピグマリオン効果
- セルフアファメーション
先行オーガナイザー
先行オーガナイザーとは、新しい学習内容を理解しやすくするために、学習者に事前に提供される概略的な枠組みや情報のことを指します。
この概念はアメリカの
心理学者デイヴィッド・オーズベルによって提唱され、
「有意味受容学習*」の一部として知られています。
つまり、「何かの作業をする前は、初めに全体像を把握しておくこと」が重要というわけです。
この心理テクニックは、スタートとゴール、通るべき道順がクリアになることによって、「終わりはいつだろう、いつまでやり続ければいいのだろう」という心理的ストレスを解消していきます。
その結果、作業への取り組みやすさが向上していくというわけです。
ポイントは、計画を立てる際に、「目標やステップを明確にする」こと。
先行オーガナイザーはまとめると、目的とやるべきことが明確になることによって、タスクを心理的に受け入れやすくさせる心理テクニックと言えます。
※「有意味受容学習」は、学習内容を効率よく理解するための最適な教授法とされています。
この学習法は、学習者が新たに学んだ知識を既に持っている知識と関連づけることで、深い理解を得ることを目指します。
これに対し、「機械的学習」は単に暗記することに焦点を当てていますが、「有意味学習」では理解を伴う学習が重視されます。
タイムボクシング
タイムボクシングとは、タスクに対して制限時間と優先順位を設定し、その時間内でタスクを完了させることを目指すタイムマネジメントの手法です。
この方法は、タスクをカレンダーに組み込み、計画的に進めることで、生産性を向上させることを目的としています。
タイムボクシングは、時間の区切りをひとつの箱(BOX)として捉え、その箱に入るタスクを1つの目的に限定させることで集中力を高めていく心理テクニックです。
タイムボクシングは、特定の時間枠を設定して、その時間内にタスクを完了させることを目指します。
時間の制約があることで集中力が高まり、効率的に作業を進めることができるというわけです。
ポモドーロ・テクニック
ポモドーロテクニックは、作業時間と休憩時間を繰り返すことで集中力と生産性を高める時間管理術です。
この手法は1980年代にイタリアの起業家「フランチェスコ・シリロ」によって考案されました。
ポモロードテクニックは、具体的に25分間の作業時間と5分間の休憩を繰り返す方法です。
短時間に集中して作業し、定期的に休憩を取ることで疲労を防ぎ、効率を高めることができます。
このテクニックは、前述した「タイムボクシング」のテクニックに組み込むことができます。
例えば、ポモドーロ1回分を一区切りにタイムボクシングすることで、作業スピードをさらに高めていきます。
「ポモドーロ」はイタリア語で「トマト」を意味し、考案者のシリロがトマト型のキッチンタイマーを使用していたことに由来しています。
なんか可愛いですね(笑)
イフゼン計画法
イフゼンルール・プランニング(If-then planning)は、特定の状況において特定の行動を取ることを事前に計画する習慣化のテクニックです。
この手法は、コロンビア大学の社会心理学者ハイディ・グラント教授によって提唱されました。
「もし〇〇したら、△△する」という具体的な行動計画を立てることで、先延ばしを防ぐことができます。
例えば、「もしメールを受け取ったら、すぐに返信する」といった具体的な計画を立てることが有効です。
「考えずにすぐに実行に移せる」というのが、先延ばしを防ぐ最強の方法です。
状況によって自動的に行動する習慣が身に付くことで、先延ばしの原因である「めんどくさい」「今やらなくていいや」と考える暇を潰していきます。
2分ルール
2分ルールとは、デビッド・アレン氏が提唱した時間管理の原則で、「2分以内に終わるタスクがあれば、すぐに片付ける」というものです。
このルールは、タスクの先延ばしを防ぎ、生産性を向上させるためのシンプルで効果的な方法です。
つまり、2分以内にできる簡単なタスクなのであれば、今すぐに取り掛かるルールです。
小さなタスクを先延ばしせずにすぐに処理することで、全体の作業効率が向上します。
「小さな先延ばしの積み重ね」がやがて大きなストレスになり、そのストレスがさらなる先延ばしを生むので、早めに片付けられるタスクはその場でやるのがベストです。
また、すぐ完了できるタスクをその場ですぐに処理する癖を身に付けることで、先延ばしが習慣になるのを防いでいきます。
5秒ルール
メル・ロビンスが提唱した「5秒ルール」は、何かを始める際に5秒以内に行動を起こすことで、先延ばしを防ぐテクニックです。
具体的には、何か行動を起こしたいときに「5、4、3、2、1」とカウントダウンして、カウントが終わるまでに行動を開始するというシンプルな行動メソッドです。
このルールは、やる気が出ないときや行動を先延ばしにしがちなときに役立ちます。
提唱者であるメル・ロビンス氏によれば、5秒ルールを実践することで、考えすぎて行動できない状況を減らし、結果として生活や人生にポジティブな変化をもたらすことができるとされています。
当然かもしれませんが、悩んでいる時間があるならさっさと始めて行動するのが、結局のところ一番生産性が高くなるわけです。
ただし、このテクニックは、やるべき理由が明確になっていることが重要です。
「やると決まっていることは躊躇なくやる」という心理状態に慣れていくことが、5秒ルールの大きな目的の1つでもあります。
作業の分割・スモールステップ
大きなタスクを小さな部分に分割することで、取り掛かりやすくなります。
具体的なステップに分けて作業することで、達成感を感じやすくなるわけです。
作業の分割方法は、先延ばしを防ぐために非常に効果的です。
以下に、具体的な方法をいくつか紹介します。
- タスクを小さなステップに分割する
大きなタスクを小さなステップに分けることで、達成感を積み重ねることができます。
例えば、「レポートを書く」というタスクを「タイトルを決める」「イントロを書く」といった具体的なステップに分割します。
- 時間管理
「タイムブロッキング」を活用し、特定の時間帯に分割した特定のタスクを割り当てることで、効率的に作業を進めることができます。
タイムブロッキングとは、簡単に言うと「何時から何時まではこのタスクだけをやる」という時間の割り振り方をするテクニックです。
- タスクの明確化と目標設定
目標を具体的に設定し、それを小さなステップに分解することで、実行しやすくなります。
例えば、「リサーチをする」「アウトラインを作成する」「初稿を書く」といった具体的なタスクに分けることが有効です。
さらに、小さなステップに分解することで、前述した「2分ルール」を活用できます。
作業の分割はタスクに対する精神的ストレスを緩和するので、先延ばし対策の基本とも言えるテクニックです。
デッドライン効果
締め切りが近づくと行動が促進される効果です。
自分で締め切りを設定し、守ることで先延ばしを防ぐことができます。
デッドラインがあることで、目標達成に向けたモチベーションが強制的に高まっていきます。
締め切りが近づくと、自然と行動が促され、タスクを完了するための動機付けが強化されていくわけです。
このテクニックを活用するおすすめの手法は「次の予定の開始時間を決めておいてブラさないこと」です。
次の予定があることで、その開始時間までに終わらせないといけないという制約が自然にできるので、「時間が過ぎたけどいいや」というだらだらとした考えを未然に防げます。
目標と期限の視覚化
壁掛けカレンダーや付箋を使って、目標と期限を常に視野に入れることで、進捗をチェックしやすくします。
「進捗が目に見える」ことで、実行する意識を高めていけるわけです。
目標を紙に書き出すときは、以下の5つの項目を書くことがおすすめです。
- 達成することで手に入る未来
- 目標達成のベストな状態
- いつまでにやるのか
- 目標達成までのステップや課題、タスクリスト
- やらないことで起こる問題やデメリット
特に「やらないことで起こる問題」を考えることは、先延ばし対策として非常に有効です。
「今やらないと後がもっと大変」という状態をリアルに体感することができれば、やらない理由を潰せるわけです。
ヴィジュアライゼーション
ヴィジュアライゼーション(ビジュアライゼーション)とは、自分が望む現実や理想の状態を想像の中で視覚化し、実現を促進するためのテクニックです。
この手法は、特にスポーツやビジネスの分野で広く利用されています。
タスクを完了した後の成功や達成感を具体的にイメージすることで、やる気が高まり、行動を起こしやすくなります。
ただし、そのイメージに満足すると、「もう完了したタスク」として脳が認識して、結果としてやらなくなる原因にもなりやすいので注意が必要です。
ヴィジュアライゼーションをした後は、すぐにタスクを実行に移すことが大切です。
上記の対策としては、ヴィジュアライゼーションはタスクの開始前よりも、「タスクへのモチベーションを維持する目的」としてタスクの休憩中に行うのがベターです。
目標設定の大きな弊害の1つでもある「始める前からタスクに満足してやらない」を回避する工夫が大切。
環境の最適化
作業に集中できる環境を整えることで、先延ばしを防ぎます。
作業スペースを整理し、注意を引く要素を排除することが重要です。
様々な誘惑が意識にあると注意力が分散し、その結果タスクを先延ばしにしてしまうという現象は頻繁に起こり得ます。
なので、やるべきタスク以外に意識が向かわないようにさせることも、先延ばし対策をする上では重要なポイントになっていきます。
セルフコントロール能力を下げないためにも、誘惑を排除した環境づくりは大切です。
報酬システム
タスクを完了するごとに小さな報酬を設定することで、モチベーションを維持します。
報酬は好きな食べ物、休憩時間、趣味の時間などが考えられます。
「先延ばしをしなかった自分へのご褒美」を決めることで、「先延ばしをしない=快感」というイメージを脳に刷り込ませていきます。
ただし、当然ですがそのご褒美の内容は「先延ばしをしなかったときだけの特別な報酬」に限定することが大切です。
「いつでも手に入る報酬」では意味がありません。
アカウンタビリティ・パートナー
アカウンタビリティ・パートナーとは、目標達成をサポートしてくれる伴走型の支援者のことです。
このパートナーは、あなたの目標設定や日々の活動の振り返りを支援し、必要なときには正直なフィードバックを提供します。
アカウンタビリティ・パートナーは、自己成長や目標達成のプロセスを一人で進めるのが難しいときに、伴走型でサポートしてくれる存在です。
他者と目標を共有し、進捗を報告し合うことで、責任感が高まり、先延ばしを防ぐことができます。
定期的なミーティングや報告を通じて、モチベーションを維持します。
さらに、「この人の信用を失いたくないから、さっさとやれる自分になる」と心に決めることで、先延ばししそうになる自分を修正していけるわけです。
「次にこの人に報告するまで」が自然に締め切りになるので、前述した「デッドライン効果」の恩恵も受けることができます。
ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、他者からの期待を受けることで、その期待に応じた成果を上げることができるという心理的な現象を指します。
この効果は教育心理学の分野で広く知られており、特に教師が生徒に対して抱く期待が生徒の学習成績に影響を与えることが示されています。
この現象は「教師期待効果」や「ローゼンタール効果」とも呼ばれています。
端的に言うと、ピグマリオン効果とは自分や他人の期待が行動に影響を与える効果です。
ピグマリオン効果は自分自身にも使うことができます。
高い期待を持つことで、自分の能力を信じて行動を起こすことができるわけです。
「自分自身に期待してワクワクする」なかなかこの状態になるまでは難しいかもしれませんが、自分を信じるとはそういうことです。
自分のできることを信じて自分への期待を叶えていくことが、やがては揺るぎない自信へと変わっていきます。
セルフ・アファメーション
セルフ・アファメーションとは、自分に対して肯定的な言葉や信念を繰り返し唱えることで、自己肯定感を高める方法です。
この手法は、「なりたい自分を実現するための自己宣言」として用いられ、「私はすでに理想の状態にある」といった肯定的な文を使って、潜在意識に働きかけることが目的です。
自分の強みや成功体験を再認識することで、自己効力感を高めることができます。
自己肯定感が高まると、タスクに取り掛かる意欲が向上するので、先延ばしを減らすことにもつながるわけです。
セルフ・アファメーションのポイントは以下の2つ。
- 現在進行形を使う:「私はこれから~になる」という未来形ではなく、「私は~だ」と現在形で断言し、すでにその状態になっている自分であると認識することが大切。
セルフイメージがつくことで、そのセルフイメージに合った行動を自然に行うようになる。
- 具体的な状況を思い浮かべる:理想の状態になっている自分の姿が鮮明にイメージできることが大切。
セルフイメージの向上が「体感としてあること」が最も重要です。
これらの心理効果やテクニックを活用することで、先延ばしを防ぎ、効率的に作業を進めることができます。
自分に合った方法を見つけて、日常生活に取り入れることが大切です。
先延ばし防止に使える心理テクニック まとめ
結論:一度計画したら考える時間をなるべく排除し、決める→実行するを最速で行う習慣を身につける!
《今回のテーマの中で一番印象に残った内容》
最適な時間管理が先延ばし対策になること。
「この時間はこの種類のタスクをやる」と決めてそれを習慣にすることで、「やるのは当然」という意識を育てていく。
計画→即実行を習慣にすることが先延ばしを防ぐ上でも重要なのだと感じた。
《新たに理解を深めた知識、センテンス》
・「先行オーガナイザー」:タスクの全体像を事前に把握することで、やるべきことを明確にし、タスクへの精神的負担を減らして先延ばしを防いで行ける。
・「タイムボクシング」:時間の枠組みを決めて「この時間帯はこれをやる」とタスクを割り振っていくテクニック。
その時間の枠組みにいる間は他のタスクについて考えなくてよくなるので集中力が続きやすく、タスクを完結しやすくなる。
・「2分ルール」:「2分でできることはその場ですぐに片付ける」と決めて小さいタスクを処理していくテクニック。
「小さな先延ばしの積み重ね」がやがて大きなストレスになるので、それを防ぐのに有効。
・「5秒ルール」:「5・4・3・2・1」とカウントが終わる前にタスクを開始するテクニック。
一度計画したことを実行に移す際に考えることで「やっぱりやめた」となるのを防ぐ効果が期待できる。
《一番効果が感じられた知識、テクニック》
「今やらないことで未来に起こる不都合を考える」こと。
不都合がないのであれば優先順位を下げられるし、不都合があるのであれば「今やらないわけにはいかないよな」という危機感が生まれるので、締め切りにならないと焦らない&本気になれない人は特におすすめです(笑)
コメント