感情コントロールに使える9つの心理テクニック【すぐに役立つ心理テクニック⑬】
どうも、Quです! 今回は、「 感情コントロールに使える心理テクニック 」について解説していきます。

感情コントロールに使える心理テクニックってありますか?

感情コントロールは、目標達成だけでなく人と関わる上でも大事な能力ですね。
それでは、使える心理テクニックをいろいろ見ていきましょう!
◆この記事でわかること
- 感情コントロールに関する心理テクニック
◇こんな方におすすめ
- 感情コントロールに関する心理テクニックを知りたい人
- 感情に振り回されやすいなどの、衝動性で悩んでいる人
- 怒りや不安、焦りなどの負の感情に流されやすくて困っている人
- 今よりもっと感情を安定させたい人
そもそもなぜ感情コントロールが必要か?
感情コントロールは、「ネガティブな感情の暴走による損失」を防ぐために必要で、個人の生活の質と人間関係を大きく改善するために重要なスキルです。
具体的には、主に以下の3つの要素でメリットがあります。
1.心の健康維持(衝動に強くなれる)
- 感情コントロールによってストレスや不安、怒りなどのネガティブな感情に支配されにくくなり、自己の心の安定を保つことができる
- セルフコントロール能力(自制心)を高め、さまざまな誘惑に負けずに目標に集中しやすくなる
- 衝動的な行動を抑制し、適切な態度や行動をとれるようになる
2.身体的健康の保護(メンタル要因による体の不調の回避できる)
- 持続的なネガティブ感情による高血圧や心臓病、免疫力低下のリスクを低下させる
- 怒りによる自律神経の乱れや活性酸素の発生を防ぐ
3.社会的メリット(良好な人間関係を築けるようになれる)
- 負の感情を抑えることで、円滑なコミュニケーションをとれるようになり、良好な人間関係を築きやすくなる
- 相手の言動に惑わされず、スムーズな対話が可能になる
- 苦手な相手とも信頼関係を構築できるようになる
- 自身への感情に注意できるようになることで、他者の感情への共感力も高まる
感情コントロールは以上の要因から、自己実現や目標達成に大きく貢献し、現代社会を生きる上で不可欠なスキルとなっています。
コントロールすべき感情の種類
コントロールすべき感情には、主に以下のようなものがあります。
これらの感情は完全に抑制するのではなく、適切にコントロールすることが重要です。
なぜなら、感情には重要な役割があり、私たちに状況や対処方法を教えてくれる「アラーム」のような機能があるからです。
例えば怒りは、自分が大事にしている物事をないがしろにされるからで、その怒りによって自分の大事な価値観に気づけるようになります。
感情コントロールのポイント
感情をコントロールする際は、以下のポイントを意識することが大切です。
これらのステップを踏むことで、感情を適切にコントロールし、より良好な人間関係や生活の質の向上につなげていきます。
感情コントロールに使える心理テクニック
それでは、「感情コントロールに使える心理テクニック」を見ていきましょう。
感情コントロールに使える心理効果には、以下のようなものがあります。
これらの効果を理解し、実践することで、ストレスの管理や感情のコントロールを効果的に行うことができます。
※ちなみに、「不安」に関する心理テクニックについては以前書かせていただいたので、よかったらそちらの記事をご参照ください。
- カタルシス効果
- アンガーマネジメント
- エモーショナルラベリング
- グリーフワーク
- アクセプタンス&コミットメント(ACT)
- 思考停止法
- 弁証法的行動療法(DBT)
- マインドフルネス
- 回避型コーピングによる一時的な気そらし
1.カタルシス効果
カタルシス効果とは、心の中に溜まった言葉にならないモヤモヤした感情をはき出し、解放することによって、不安や緊張などの症状が軽減され気分がすっきりする現象です。
この効果により、ネガティブな感情を浄化し、精神的な緊張状態をほぐすことができます。
2.アンガーマネジメント
1970年代にアメリカで開発され、当初は精神療法を受けている人や、感情労働*に携わる人々を対象に実施されていました。
これらの技法を状況に応じて使い分けることで、効果的に怒りをコントロールできます。
3.エモーショナル・ラベリング
UCLAの研究では、クモ恐怖症の参加者を対象に実験を行い、感情にラベルを付けたグループは、他のグループよりも恐怖心が薄れ、クモにより近づけるようになった、という実験結果もあります。
〈やり方(具体例)〉
- 怒りや悲しみ、不安や緊張などの気持ちを言葉にして書き出す
- 感情表現を加えながら日記を書く
- 感情による体の反応を観察しながら名づける(瞼がピクピクする、腹がキリキリする、など)
4.グリーフワーク
グリーフワークの過程には個人差があり、時間をかけて進行します。
〈グリーフワークのプロセス〉
グリーフワークは通常、この4つのプロセスを経験します。
-
- ショック期(茫然自失や無感覚な状態)
- 喪失期(強い感情が繰り返し現れる時期)
- 閉じこもり期(うつ状態や無気力な状態)
- 再生期(新たな自分や社会関係を築く時期)
〈やり方(具体例)〉
- 失った現実や悲しみを受け入れる
- 事実を受け入れ、自身が悲しみを抱えていることを感情的にも受け入れる
- 辛くても少しずつ向き合い始める
- 悲しみを消化していく
- 故人の写真や持ち物を見る
- 思い出を想起して感情を蘇らせる
- 静かに自身の気持ちと向き合い見つめる
- 親しい人などに気持ちを話す
- 故人への気持ちを吐き出す
- 悲しみだけでなく、不安や怒り、後悔など、さまざまな感情を言葉にして表現する
- 家族や友人に話す、カウンセラーや医師に相談する
- 紙に書き出す
- 日記を書く、写真を整理する、形見を大切にするなどの活動を行う
- グリーフケアの専門家に頼る、グリーフケアの会合に参加する
- 故人のお墓や遺品を精神的支柱にする
- お別れ会・セレモニーを開催する
5.アクセプタンス&コミットメント(ACT)
具体的には、困難や不快な感情を「取り除く」のではなく、それらを「受け入れ」ながら、自分の価値観に基づいて行動することを目指します。
1. 現在の瞬間に意識を向ける(マインドフルネス)
- 方法: 呼吸瞑想や身体スキャンを行い、「今、この瞬間」に注意を集中します。
- 例: 深呼吸をしながら、自分の体や周囲の音、感覚に意識を向ける。
- 目的: 過去や未来へのとらわれから解放され、現在の体験に集中できるようにする。
2. 感情や思考の受容(アクセプタンス)
- 方法: 不快な感情や思考が浮かんでも、それを変えようとせず「そのままある」ことを許容します。
- 例: 「この不安は今ここにある」と言葉に出して認識する。
- 目的: 感情や思考を否定せず、自然なものとして受け入れることで心理的な柔軟性を高める。
3. 思考との距離を取る(脱フュージョン)
- 方法: 自分の思考を客観視し、それが「現実」ではなく「ただの思考」であることを認識します。
- 例: 「私は価値がない」という思考が浮かんだら、「私は『価値がない』という思考を持っている」と言い換える。
- 目的: 思考に振り回されず、冷静に対処する力を養う。
4. 自分の価値観を明確化する
- 方法: 自分が本当に大切にしたいことや人生で重視したい価値観を書き出します。
- 例: 「家族との時間」「誠実さ」「健康」など、自分にとって重要なものをリスト化。
- 目的: 自分の行動指針となる価値観を明確にし、それに基づいて行動できるようにする。
5. 行動目標を設定し、実行する(コミットメント)
- 方法: 明確化した価値観に基づいて、小さな行動目標を立て、それを実践します。
- 例: 「家族との時間」を大切にしたいなら、週末に家族と過ごす計画を立てる。
- 目的: 自分の価値観に沿った行動を具体化し、実際に行動することで充実感を得る。
6. 繰り返し自己評価と調整
- 方法: 定期的に自分の進捗状況や感情の変化について振り返り、必要なら目標やアプローチを調整します。
- 例: 日記を書く、進捗チェックリストを作成する。
- 目的: 自己成長と心理的柔軟性の向上を継続的に促す。
6.思考停止法
「思考停止法」は、ネガティブな思考や不安、恐怖などの感情が頭の中でぐるぐると巡り続ける状態を瞬間的に停止させ、安心感やリラックス感を取り戻す心理療法の一つです。
この技法を継続的に実践することで、不快な思考や感情が次第に弱まり、最終的には気にならなくなることが期待されます。
この練習を継続することで、不快な思考やイメージが次第に弱まり、最終的には気にならなくなることが期待できます。
7.弁証法的行動療法(DBT)
元々は、自殺行為や自傷行為、激しい感情の変動に苦しむ人々、特に「境界性パーソナリティ障害(BPD)」の患者を対象に開発された手法です。
また、弁証法的行動療法はBPD以外にも、うつ病、双極症、物質使用症、摂食症、PTSD、ADHDなどにも効果が認められています。
「DBTのグループスキルトレーニング」は、以下の4つの主要なスキルを中心に構成されています。
※グループスキルトレーニングは5週間ごとに1つのスキルを学び、合計「約5ヶ月」で一通り終了するのが通常とされています。
セッションは教育的な様式で行われ、スキルトレーニングのマニュアルに沿った練習法を使用していきます。
そして、参加者は学んだスキルを日常生活で実践し、次のセッションで振り返りを行い学んだスキルを定着させていき、徐々に「感情を安定させるスキル」を身に着けていきます。
8.マインドフルネス
現在の体験に意識を向け、衝動的な行動のトリガーに気づくことで、ストレス反応を低減していきます。
この手法は正確には、「マインドフルネス・ストレス低減法」と呼ばれる心理学的治療の一つです。
9.回避型コーピングによる一時的な気そらし
具体的には、物理的に場所を離れる、遠くの物を数える、数字を数えるなどして注意をそらしていきます。
〈やり方(具体例)〉
- 趣味の時間を持つ:好きな活動に没頭することで、ストレスから一時的に距離を置く
- テレビやゲームで気を紛らわせる:短時間の娯楽活動により、ストレスフルな状況から一時的に離れることができる
- 自分の時間を過ごす:ストレッサーから離れ、自分だけの時間を持つことで気分転換を図る
- 嫌なことを考えないようにする:意識的にストレスの原因から注意をそらす
- 気晴らしの方法をリストアップする:事前に効果的な気晴らし方法をリストアップしておき、ストレス状況に応じて適切な方法を選択する
- ストレスの程度に合わせた対策を行う:ストレスの強さに応じて、適切な気晴らし方法を選択する
※コーピングに関しては、興味深い内容なので後日記事にする予定(笑)
お楽しみに!笑
感情コントロールに使える心理テクニック まとめ
自分の感情の意味を考えたり、意識を切り替えたりする繰り返しの練習が必要。
・「エモーショナル・ラベリング」:感情を言語化することで、感情を客観的にとらえられるようになるためのテクニック。
今の感情をいろんな表現で名づけるだけで、脳にも実際に変化が起こるのは純粋にすごいと感じた。
しかもわりと誰でも出来て簡単(笑)
・「グリーフワーク」:愛するものを亡くした時の、心が回復するまでに行う心理的作業のこと。
たいていの場合、メンタルが回復するまで1年以上かかり、長い時間をかけて焦らずゆっくり立ち直っていくことが大切。
中には自然に回復しない人もいるので、心理の専門家に相談する必要がある。
・「アクセプタンス&コミットメント(ACT)」:自分の良くない感情を否定するのではなく許容し(アクセプタンス)、自分の人生に大事なことを明確にして、その大事な価値観に沿った行動目標を実践じ(コミットメント)、精神的な充実感を得ていくテクニック。
価値観が明確になり心が満たされることで、感情に振り回されにくくなる。
《一番効果が感じられた知識、テクニック》
「思考停止法」:感情を抑圧したり、消し去ったりするのではなく、受け流すイメージ。
ただただ感情以外に意識を向け、頭の中を空にして別の作業に没頭するのが、いろいろ試してきましたが、一番感情に振り回されない気がしますね。
要は「負の感情」をスルーして、別のことに集中する。集中しているうちに忘れる、みたいな。
慣れれば意外と簡単にできるようになるのでおすすめです。
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