【目標設計テクニック・完全版】達成率を高める目標設定のコツ
どうも、Kuです! 今回は前回からの続きで「 目標設定のコツ 」について解説していきたいと思います。
さて、ここからはいよいよ、目標の達成率を高める具体的な 目標設定 のテクニックを紹介していきます。
どこかで聞いたことのあるような有名なテクニックばかりですが、効果の高いものをリサーチしていきました。
今回の内容は以下の通り。
- 効果の高いと言われている目標設定の法則の仕組みと使い方
- 目標の達成率が低くなる原因
ちなみに、「目標設定」において重要なことは前回でも少し触れましたが、
- 「目標の目的」を明確にすること
- 「自分のできること」をしっかり把握すること
- 「計画倒れになる原因への対策」を立てること
でしたね。
前回:>>目標設定 をする意味と メリット【 目標と目的の違いも解説 】
達成率 を高める 目標設定 の法則
「一貫性の法則」
人には、自身の行動、発言、態度、信念などを一貫したものとしてあらせたいという心理があり、これを「一貫性の原理」と呼ぶ。この心理の根底には、一貫性を保つことは社会生活において他者から高い評価を受けるという考え、複雑な要因の絡み合った社会生活での将来的な行動決定においてより簡易に行動を決定することができるなどの要因があるといわれる[1]。
例えば買い続けている月刊誌が内容が面白くないと感じても、新刊が出るとつい買ってしまったり、好きな歌手のCDだからという理由だけで買ってしまうという行動などである。また一旦観だした映画はたとえ途中で面白くないと感じた場合でも、最後まで見てしまうなどなどが例として挙げられる
Wikipedia「一貫性の法則」より引用
「一貫性の法則」とは簡単にいうと、「自分の行動や言動、態度を途中で変えずに保ち続けたい」と思う心理法則のことをいいます。
たとえば、上記の例にもあるように、昔から買っている週刊誌を買い続けることなどがあてはまります。
これは、動物でいうところの「習性」に近い感覚です。
「習性」というのはそもそも、その生物にとっての「生き残るための最善の行動」が進化の過程の中で遺伝子に組み込まれていった「自動行動プログラム」みたいなものです。
「この場合はこうする」という、安全だとわかりきっている同じ行動を半自動的に繰り返すことによって、個体の生存確率をあげているわけですね。
電車でいつも同じ席に座ったり、お風呂で体を洗う順番がいつも同じだったりするのも一貫性の法則にあてはまります。
こういう一連の自分の中の決まった動作は、無意識のうちに半自動的に行われていくので意志のエネルギーを消費することが少なく、長く続けていくことが容易です。
つまりは「習慣を長続きさせるコツ」は「一貫性の法則」に当てはめさせることが最も強力な方法になっていきます。
さて、この法則を利用するのならばポイントは簡単。
「状況に対する一連の反応と動作を自動的にできるように記憶しておく」のが習性であるのであれば、つまり「習慣のなかのルーティンを固定する」ようにすればいいわけです。
たとえば、「毎朝30分間ランニングをする」という習慣を続けたいのであれば、そのランニングをする条件や手順をまずはすべて書き出して、やる順番を固定していきます。
- 出勤の2時間前に目を覚ます。
- 起きたらすぐに水を飲み、そのあと軽いストレッチをする。
- ストレッチが終わったらすぐにランニングウェアに着替えランニングシューズを履く。
- 同じコースを同じ速度で走る。
- 返ってきたらプロテインとマカを飲みシャワーを浴びる。
やっていくうちに一連の動作が何の苦も無くできるようになってきたら成功です。あとは「一貫性の法則」が働くので「むしろやらないのは落ち着かない」という状態になります。
注意点は1つだけ。最初はひとつひとつの動作はゆっくりでもいいので、とにかく動作の順番をまるごと頻繁にコロコロ変えないようにすることです。
上記の例で例えるなら、1〜5までの手順を毎回すべてバラバラに変えて、(つまり一貫性のない状態で)行うと言うことです。
なぜなら「習性」にするためには時間が必要であり、「一貫性」がなくなるとそのつど定着するまでの時間を要することになるので余計な労力になります。例えるならすごろくで自ら振り出しに戻るのと同じことです。
どうしても「こっちの方が効率がいい」という動作が見つかった場合は、定着していってから「一部分」だけを少しづつ変えていくのが大切です。
これは例えるなら、一度組み立ててから一度のパーツだけを付け替えていくイメージ。
一度「型」ができたあとであれば、変えたい部分にだけエネルギーを割くだけでいいので「一貫性の法則」が崩れにくくなります。
長々と書きましたが、要はこのテクニックの肝は「ルーティンはやればやるほど苦じゃなくなるよ~だから目標に必要な決まった行動はルーティン化したら後々楽になるよ〜」と言うことです。
「なるほど。一貫性の法則、ルーティンの固定が大切なのね。でも、それができれば苦労はしないよ〜」という方は、次のテクニックも試してみましょう。
「スモールステップの原理」
スモールステップとは、目標を細分化して一つずつのステップを確実に達成することで、最終的な目標へと近付けるという、目標達成のためのメソッドです。アメリカの心理学者であるバラス・スキナー氏によって提唱されました。
スモールステップを導入することで、モチベーションを維持したまま、大きな目標の達成確率を上げることが可能です。その効果や汎用性の高さから、教育・子育て・人材開発・ビジネス・スポーツ・心理療法など、幅広い分野で活用されています。
「スモールステップとは|メリットから実践方法・ポイントまで紹介」より引用
「スモールステップの原理」とは、目標におけるタスクの内容を細かく小さな段階ごとに分類し、その小さな段階を踏んでいくことで少しづつ目標を達成していくことができるようになるという原理のことです。
「千里の道も一歩から」や「分割して統治せよ」などの金言まであるように、大きな目標は細かく小さなステップに細分化することが目標達成をしていくうえで効果的です。
「あぁ~やらないとな」という気分になることが目標を達成していくうえで最大の心理的な障害になりやすく、また、挫折の原因にもなりやすいので、精神的な負担を取り除いていくことが達成率を高めていくことになります。
スモールステップのポイントは、この「あぁ~やらないとな」とならないくらいまで動作を簡略化させることです。
たとえば、「ブログ記事を一本書く」というタスクがあった場合、まずはそのタスクを完了させるために必要な作業をすべて書き出していきます。
そして、その次にその作業の中から「あぁ~やらないとな」と気力を使う作業は何なのかを考えていきます。
- 書く内容とそれに合ったキーワードを決める:○
- 記事の構成内容を考える:△
- 必要な情報をリサーチする:×
- 見出しごとに文章を書く:×
- 完成した文章を見直す:○
- 文字装飾や画像を付け足す:△
※「あぁ~やらないとな」となりやすい作業:× それなりに大変:△ あまり苦労しない:○
さて、やるべき作業を書き出し「あぁ~やらないとな」という気分になる作業を見つけたら次に「精神的負担の一番少ない簡単な作業は何なのか」を項目ごとに書き出していきます。
〈「必要な情報のリサーチ」作業の細分化〉
→リサーチの目的を決める、キーワードを使ってGoogle検索する、上位数ページの記事を流し読みして欲しい情報だけをどんどんメモしていく、など。
〈「見出しごとの文章を書く」作業の細分化〉
→調べたメモの要点をまとめる、PREP法を使って文章の骨組みを作る、箇条書きでどんどん情報を書き出していく、書き出した情報を説明する文書を付け足していく、自分の意見を挟む、など。
※PREP法とは、説得力のある文章を書くための文章の型のこと。結論(Point)→理由(Reason)→根拠、実例(Example)→要点のまとめ、結論(Point)の順番で説明していくとわかりやすい説得力のある文章になる。
動作を書き出したらあとは動作の一覧表としてチェックリストを作って、パソコンのデスクトップや部屋のPC周辺の壁など見える位置に貼り付けておきます。
そして、次に「最低限ここまではできる」という項目数を決めていきます。
たとえば「チェックリストのうち、どんなにつらい日でも2項目はできる」というのであれば、「一日2項目」を目標にしていくわけです。
「1日たったの2項目だけだったら終わらせるのに時間かかっちゃうよ」と思うかもしれません。が、しかし、ここではあくまでも「最低ライン」を決めるだけであって、「上限を決めていないこと」が重要なポイントになっています。
つまり、調子がよければどんどんリストを消化していき、タスクを進めていっても全然問題はないということです。
チェックリストをすべてこなせば目標達成、そのチェック項目を「精神的負担がかからない動作」にまで細分化したのが「スモールステップの原理」を応用した目標計画というわけです。
「WOOPの法則」
WOOPの法則とはアメリカの心理学者であるガブリエル・エッティンゲン博士の20年以上にわたる研究によって体系化された目標達成を円滑にするプロセスの法則であり、精神論だけでなく、起こり得るネガティブ要因を先に分析することで、その対処法までを計画しておくという点に特徴がある。
どちらかというとネガティブなアプローチであるWOOPの法則の方が目標管理をしやすく、結果が出やすいということで注目されているのだ。
「WOOPの法則」の「WOOP」とは、「Wish(願望)」「Outcome(結果)」「Obstacle(障害)」「Plan(計画)」の頭文字からとったものであり、この法則は達成率の高い目標管理の法則のひとつとして近年有名です。
WOOPの法則では、あらかじめ起こりうる「障害」を考えておき、その対策を練っておくことで、計画倒れを未然に防ぐことができるというメリットがあります。
〈Wish(願望)〉のポイント
- 実現方法のわからないハードルの高い目標は避ける
→明確な計画が立てられる内容の目標にする。「どうなるかわからない」という難易度の目標は、挫折対策も不明瞭になるので不向き。
WOOPが使えない例
・年収1億円稼げるようになる
・プロのミュージシャンになって海外で売れまくる
など。
そもそもロードマップの立てられないような非現実な目標はただの願望なので、計画を立てようがない。
〈Outcome(結果)のポイント
- 望む結果のベネフィット(利益)まで考える
→ベネフィットとは、わかりやすく言い換えると、「手に入れた成果によって得ることができる嬉しい変化」のことです。
たとえば、「やせる」という結果に対する嬉しい変化は「モテる」「理想の体型になれて自信がつく」などで、これがベネフィットです。
ベネフィットをはっきりさせるこによって、目標の「目的」がより鮮明になるので、それがそのままモチベーションになり、やる気のある状態で目標に取り組むことができるようになります。
〈Obstacle(障害)のポイント〉
- 「自分起因」の障害を考え出すこと
→たとえば、「疲れてできない」「時間が作れなくてできない」など。
運や、環境、世の中の流れなどの「この先どうなるか予測がつかない」または「自分の力だけではどうすることもできない」と思える「外的要因」は対策を練ったところで徒労に終わる確率が高いので、この段階では別の対策を考えます。
この場合考えるべき対策は「自分起因」の障害への対策です。
つまり、「自分の力でがんばればなんとか解決できる」という障害を考えていきます。
そもそも「対策を練ってもどうしようもない外的要因」が大きな障害になることがはっきりわかりきっている場合は、目標設定自体が間違っている可能性が高いので、目標から見直した方が早いです。
〈Plan(計画)のポイント〉
- 障害をできるだけ具体的に想像して対策を立てること
→たとえば障害が「疲れてできない」なら、「仕事から帰ってきて、眠気のせいで集中力をキープするのが困難」というように細かく条件を想定する。
→対策:スモールステップ(どんなにコンディションが悪くてもできるごく簡単な作業)一個分だけ行い、朝早く起きて続きをする。など。
そして、いよいよ目標達成のための計画ですが、先ほど紹介した「スモールステップの原理」を利用したアクションプランや「If-Then プランニング」などのテクニックをつかって、障害に対する対策なども含めて計画していきます。
なかでもWOOPの法則の「計画」の部分は「If-Then プランニング」と組み合わせるのが最強です。
「If-Then プランニング」については、次の項目にてご紹介していきます。
「If-Then プランニング」
if-then プランニングとは、Columbia Business Schoolのモチベーション・サイエンス・センター副所長を務める社会心理学者のHeidi Grant教授が、著者『Nine Things Successful People Do Differently』で提唱している、目標達成のための手法です。
「目標達成確率が3倍に!? 『if-then プランニング』こそが最強の行動計画である。」より引用
「If-Then プランニング」とは、「もしAならば、Bをする」という非常にシンプルなルールに従って行動の計画を立てていくテクニックのことです。
「もしAならば~」の部分は行動を起こすためのきっかけであり、行動のためのトリガーと呼ぶことができます。
行動のためのトリガーを決めておくとなぜよいのかというと、「脳が素直に実行に移しやすくなる」という利点があるからです。
前述した「一貫性の法則」の項目でも触れましたが、「この場合はこうする」というふうに生存に関わる行動を「習性」という形で遺伝子レベルで覚えておくことによって、その状況に出くわした場合に半自動的に反応できるようになり、その結果、生存確率が高くなります。
そのため「もしAという状況になったらBをする」という命令は脳が受け入れやすくなっているのです。
そのシンプルさゆえに活用しやすく、また、達成率も抜群に高いといわれています。
ある実験では、If-Then プランニングを使ったグループの方が使わなかったグループよりも、レポートの提出率が2.3倍も高くなったという実験結果もあるほどです。
If-Then プランニングのポイント
1.時、場所、タイミングなどできるだけ条件を細かく設定すること
例)
- 朝起きたら(時間)、すぐに(タイミング)、瞑想アプリを起動させてベッドの上で(場所)、5分間の瞑想を行う
- 夜寝る前に(タイミング)、楽しかったことを思い出す
2.もうすでに身についている習慣をトリガーにするとより強力
例)
- 朝食を食べたらすぐに、15分間の筋トレを行う
- 風呂上りに、ヨガアプリを使って軽く10分間ヨガをする
「習慣化の20秒ルール」
「習慣化の20秒ルール」とは、アメリカの心理学者シェーン・エイカーによって書かれた著書『幸福優位の7つの法則』の中で紹介されている、脳の仕組みを利用した習慣化のテクニックのことです。
20秒ルールは、良い習慣を身につけたいときだけでなく、やめたい悪癖にも使うことができるテクニックとして注目を集めています。
具体的には、1つの作業に「20秒」取り掛かるのが早いか遅いかによって、その作業への心理的負担に格差が生まれるというものです。
- 良い習慣を身につけたい場合→20秒以内にすぐに作業に取り掛かかれる状態にしておくことによって、心理的負担を減らす
- 悪い習慣を減らしたい場合→その行為をするまでに20秒以上時間を要するような状況にしておき、その行為への心理的負担を増やす
なぜこのような結果が生まれるかというと、脳は「生き残るための余力を常に残しておくために、無駄なエネルギーを極力避けたがる傾向がある」からです。いざ、目の前に外敵が現れたときに、逃げるためのエネルギーが切れていては生存確率が下がります。
そのため、労力のかかりそうな作業に対しては「めんどくさい」という感情を抱きやすくなっているのです。
特に、取り掛かるまでの時間が重要で、準備に時間がかかればかかるほど「作業を開始すること」への心理的負担が増えていってしまいます。
たとえば、書類を作ろうと思っても、PCがなかなか起動しなかったら、どんどんやる気はなくなっていきますよね。
20秒ルールのポイント
- とにかく最大限「下準備への手間を減らす」こと。
どんな作業にもある程度、下準備と言うものが必要です。下準備とは、その作業を始めるにあたって必要な前段階のことです。
20秒以内に始められるようにするためには、この下準備をあらかじめ終わらせておき、すぐに作業に取り掛かれるような状態にしておくことが大切です。
準備を事前に終わらせておくことによって、始めるまでの心理的負担をぐっと減らすことができます。
例)
- 読書→本を選ぶ、読書スペースを確保する、本を開く、など
→読書スケジュールを作っておく、読書スペースをいつも同じ場所で固定しておく、読む本を常に出しっぱなしにしておく、など - ランニング→動きやすい服装に着替える、ランニングシューズを履く、など
→帰って来たらジャージを部屋着にして、そのままの格好ですぐにでもランニングできるようにしておく、など - 日記→日記帳と筆記用具を用意する、書く内容を決める、など
→常に机の上に出しっぱなしにしておく、書く内容の質問リストをあらかじめ作っておく、など
「TOTE(トート)モデル」
「TOTEモデル」とは、目標達成のための行動の基本を構図化したもので、「Test(テスト)」「 Operate(操作)」「 Test(テスト)」「 Exit(ゴール、退出)」のそれぞれの頭文字からとって名付けられています。
この法則は、脳と意識の仕組みをもとにした心理学の法則であり「脳と心のマニュアル」とも呼ばれているNLP(神経言語プログラミン)の法則のひとつです。
主に目標達成するための戦略を立てるときに用いられる法則です。
わかりやすくざっくり説明すると、TOTEモデルは「トライ&エラー」を繰り返しながら行動を修正していき、やがてはすこしづつゴールに近づき達成を目指す行動の流れを示しています。
- 現状の把握(テスト)
- ゴールに近づくための手段の行使(操作)
- 操作後の進捗確認と手段の見直し(テスト)
- 改善した操作の検証(操作)
基本的には1~4を繰り返していき、「現在の状態」が「理想の状態」に到達したらそこでExit(退出)になり終了です。
TOTE(トート)モデルのポイント
- 「失敗」を前提にして、ひたすら検証と改善を繰り返していくこと
トートモデルの最大の特徴は「失敗を失敗のまま終わらせない」ところにあります。
「失敗した。だからこの方法は良くなかった」だけで終わらせるのではなく、その検証した結果から改善できるところを修正してまた試すことによって、他の目標にも活かすことができる経験を手に入れることができるのです。
さらには、あらかじめ失敗することを予測しておくことで、失敗したときの心理的衝撃を和らげることができ、行き詰まりや挫折を防いですぐに次の行動に映れるようになります。
また、「失敗」という一番底辺から目標を見ることができるので、高すぎる理想によって設定された無謀な計画を立てることを減らすこともできます。
目標 の 達成率 が下がる 原因
ここで、目標達成において障害になりえる原因についても知っておきましょう。
いくら水を注いでも、容器に穴が開いていたのでは水を注ぐ意味がありません。
あらかじめ、失敗しやすくなる原因を知っておくことで、達成率を相対的に高めていくことができます。
- 目的が曖昧
- 目標達成のための手段が曖昧
- 最初に行うタスクの負担がでかすぎる
- 課題が多すぎる
- 期限が遠すぎる
- 相談できる相手、もしくは手本がいない
- 目標がそもそも価値観に合っていない
目的が曖昧
「何のために」「何を手に入れたいのか」が曖昧のままでは、当たり前ではありますが目標達成へのモチベーションの維持は難しくなります。
「なんとなくよさそうだから」とか、「世の中の流行だから」という理由だけで目標を立てたとしても、その続きがないのであればその時間と労力が無駄になる場合もあるでしょう。
たとえば、有名大学への進学や、プログラミングを学ぶ、などを目標にする人は多いかと思います。
そこで、「優れた医療技術と知識を学ぶためにどうしても入りたい」という理由がある人と「なんとなく、入っておけば安心」という目的が曖昧な理由で進学を目指す人であれば、「どちらの方がモチベーションを維持できそうか?」といわれたら間違いなく、はっきりとした目的のある前者だと思います。
また、「絶対やせて、好きな人に振り向いてもらう!」という理由をつけて立てた目標と「10㎏やせる!」という数字だけの目標とでは、目標へのモチベーションが変わってくるはずです。
目標達成のための手段が曖昧
目標達成において「目的」の次に重要なのが「手段」です。
当たり前かもしれませんが、とりあえず大きな目標は立てたはいいが、具体的に何をどうするのかを決めずにいたのでは、目標を立てただけで終わる場合が多いです。
たとえば、「YouTubeで登録者10万人を目指す」という目標があったとしましょう。
そこで、なんとなく撮影してなんとなく投稿している人と、SNSを活用したり、コラボや様々なイベントを企画したりして新規視聴者を獲得するために効果的な手段を次々に試していった人とでは、よりどちらの方が目標達成に近づけるか、結果は自ずと変わってくるはずです。
※もちろん、ある日突然たまたま気分で撮った動画が急にバズる場合もありますが、それは運要素なので、目標設定とはこの場合の例では趣旨が異なります。
目標を立てたのであれば、なんとなくの行動はやめ、それを達成するために必要な手段をまずはすべて調べて試してみることが大切です。
最初に行うタスクの負担がでかすぎる
これは、「スモールステップの法則」や「20秒ルール」でも解説しましたが、脳はタスクへの「心理的負担」が増えれば増えるほどめんどくさく感じるようにできています。
たとえば、「半年間、毎朝瞑想をする」という目標があった場合、初日にいきなり「40分の瞑想を行う」という設定にいきなりするのは無謀といえるでしょう。
最初の2~3日はいいかもしれませんがそのうち続けるのが難しくなっていきます。
「最初は軽く、慣れてきて定着してから徐々に増やしていく」というやり方がタスクを継続させる上では大切です。
課題が多すぎる
目標を立てているときはテンションが上がってしまってついつい課題を増やしがちになってしまいます。
しかし、同時にこなす課題が増えれば増えるほど心理的負担が増していくので、モチベーションの維持がだんだん難しくなっていきます。
「ツァイガルニック効果」といって、人はやり残したタスクを脳の記憶のリソースの中に留めておく性質があります。
つまり、中途半端にしたタスクは溜まっていき、脳の情報を処理する領域が圧迫していきます。
その結果、その分タスクを終わらせるスピードと質が低下して行くという状態になりやすいです。
さらには、脳の処理能力への負担が増えていくほどに、「心理的負担」も当然ながら増えていくので、やるべき課題が増えていくほどにモチベーションの維持もだんだん難しくなっていきます。
なので、基本的に課題は「1個終わらせたら、また新しい課題を1つだけ増やしていく」という形で行っていくことが望ましいと言えます。
期限が遠すぎる
期限は長くなればなるほど当然モチベーションの維持が難しくなっていきます。
というよりも「期限」というのはそもそも、だらだらとした時間を減らし「先延ばしを防ぐため」に設定するものであり、長くなればなるほどその分効果は薄くなっていきます。
たとえば、明日までに終わらせなければならない課題と来月末までに終わらせればいい課題があったとしたら、全く同じ内容だったとしても、期限のより早い方が取り掛かるスピードも集中力も高くなります。
相談できる相手、もしくは手本がいない
「何をしたらいいのかわからない」という状態は、どこを走っていいのかわからない暗闇の中をいる状態のようなもので、かなりの精神的負担になりえます。
しかも、「自分の考え」だけで立てた目標は、「確証バイアス」といって、自分にとって都合のいい部分しか目に見えなくなる場合もあるので、思わぬ失敗を招く可能性が高くなります。
目標を目指すうちに「きっとこうに違いない」「たぶんこうなるはずだ」などの曖昧ワードが頻度に出てくるようなら要注意です。
思い込みだけで考えていないか、一度立ち止まって考えてみましょう。
北海道を目指していたはずなのに、いつの間にか沖縄行きの飛行機のチケットを買っていた、なんてことのないようにしたいものです。
相談できる相手やお手本を見つけておくことで、自分が今どの当たりにいるのかがわかるので道に迷いにくくなります。
しかも、人に相談することによって客観的な情報がだんだん整理されていくので、やるべきことも明確になっていきます。
要は「今いる自分の立ち位置」をしっかり把握していくことが大切なのです。
目標がそもそも価値観に合っていない
最初に戻りますが、「何のために」「何を手に入れたくて」その目標なのか、目標の達成率を高めるためには、その目標の目的をしっかり考えていく必要があります。
本当にそれは自ら望んだものなのか? それがはっきりしない目標であるのなら、無駄な時間を減らすためにもやらない方がマシです。
やらされている目標なのか、自ら望んで取り組んでいる目標なのか、同じ内容の目標でも、それによってどちらがより目標を達成しやすいかは一目瞭然です。
〈参考記事〉
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