ワーキングメモリ を鍛える9つの方法【天才脳の育て方】
前回からのつづき。「 ワーキングメモリーを鍛える方法 」、後編です。
ワーキングメモリを鍛えることで、脳の情報処理能力が向上し、集中力も上がり、前頭葉が鍛えられることによって情動も抑えやすく(つまり、冷静になれる)なります。
冷静沈着で、正確な判断力や素早い理解力を持ち、大量の仕事を効率よくこなせる、そんな「天才脳」を手に入れるには「ワーキングメモリー」を鍛えるのが一番手っ取り早いです。
あなたもワーキングメモリーを鍛えて、人生イージーモードにしてみませんか?
なんて(笑)
それでは早速、ワーキングメモリを鍛える方法を見ていきましょう。
『イメージ化』(記憶補助&強化)
- 読書内容のイメージ化
- 資料内容のイメージ化
- 連想ゲーム
- 楽しい出来事を思い出す
- 過去にした会話の内容を思い出す
1、「本の内容を頭の中で絵に変換しながら読書をする」
脳には「神経回路を使えば使うほど太くなっていく」『脳の可塑性』という性質があり、つまり『ACC』も例外なく、使うほど鍛えられていくというわけです。
そして、「脳の1つの回路を鍛えると、それに付随する他の回路も強化される」というもう一つの性質「脳の汎化」から、ワーキングメモリの機能も鍛えることができます。
これは別に読書でなくてもよくて、歌の歌詞をアニメーションで脳内再生したり、ラジオの会話を絵でイメージする、などでもよいそう。言い換えれば、「妄想癖が脳トレに・・・」なんて冗談でもなさそう(笑)
2、「図やイメージで情報を記憶する」
ワーキングメモリに関する最初の記事で、ワーキングメモリは「中央実行系」「言語的ワーキングメモリ」「視空間的ワーキングメモリ」に分かれると解説しました。
ここで、勘のいい人ならもうお分かりかと思いますが(え?w)
そうです、機能が分かれているということはワーキングメモリは3つの機能を分散してうまく使うことによって記憶の効率がよくなるということです。脳の機能というのは複数の機能を同時に使うことによって脳の回路が密になる=強化されやすくなるという性質があります。ワーキングメモリも同様です。
ポイントは「1つの機能に偏り過ぎない」こと。つまりは他の機能もまんべんなく使うことが大切です。
たとえば、ダンスやスポーツなど。言葉だけで教えられるよりも、動作を実際に見せながら教えられた方が何倍もわかりやすく覚ることができます。
ただ、テクニックの仕組みやコツ(技術の知識)も合わせて解説しながら教えてもらえた方がより理解は速く、上達が見込めるはずです。
また、歌や台本、プレゼンの資料や化学式、歴史年表を覚えるときなども、その場面や絵をイメージしながら覚えた方が記憶に残りやすく、状況の理解や整理も速くなります。
イメージ記憶のメリット
人類が「言葉」を発明する以前は「イメージ(印象)での記憶」しかなく、また、記憶のほとんどは「生命にかかわる記憶」を最優先にしてきたため記憶の回路が太く、イメージと結びつけた情報はとても強烈に記憶に残るのだとか。
世界最強の記憶術に『記憶の宮殿』(別名:場所法)という超有名なテクニックがあることをご存知の方も多いのではないでしょうか。
ただ、「印象」を覚えるのは確かに自動的で簡単ではありますが、言語イメージング(言語からイメージ情報への変換)には時間がかかり、注意力や集中力がいることから、ある程度トレーニングが必要なようです。
3、「連想ゲームをする」
これも前述の「脳の可塑性」の性質を利用していて、ワーキングメモリの「作業のための情報を展開する」という機能を、スムーズに行えるようにするという目的があります。
また、展開速度が速くなればなるほど、ワーキングメモリの処理速度の向上が見込めます。
そこで、夜寝る前にテーマをひとつ決めて、次々絵を思い浮かべていくトレーニングがおすすめ。この方法は「シャッフル睡眠法」と呼ばれ、なんと安眠効果もあるのだとか。
ワーキングメモリを鍛えながらぐっすり眠ることができる。まさに一石二鳥ですね^^
4、「楽しい出来事を思い出す」
これはまだまだ研究途上ではありますが、幸福感に浸ることでACCを刺激→前頭葉を刺激→ワーキングメモリを活性化することができるとのこと。
「イメージ化トレーニング」にもなる上に、幸せの感情の源である「セロトニン*」も分泌されるのでやってみる価値はありそうです。
*別名「幸せホルモン」鬱やストレスの改善効果がある脳内ホルモンのこと。
5、「会話内容を定期的に思い出す」
*エピソード記憶については前回の記事をご参照ください。
『前頭前野を鍛える』(メモリ強化)
- 有酸素運動
- 運動+知的作業
- 手書きメモ
- 未知の体験
6、「有酸素運動をする」
*短期記憶が長期記憶に変わり安定すること。
もちろん、前頭前野の成長にも欠かせない物質でもあり、認知機能を司る「前頭前野」を鍛えることはワーキングメモリの強化にもつながります。
まぁ、つまりは「脳細胞が増えて脳のいろんな機能も良くなるから、ぜひ運動をしましょう!」ということですかね。
なかでも気軽にできておすすめなのは「20分以上強歩で散歩する」こと。
BDNFの増加だけでなく、セロトニンも分泌されてめちゃくちゃ脳と身体の健康に良い効果が期待できます。
7、「『運動』+『知的作業』を同時に行う」
料理や、歩きながら読書や会話など、身体を動かしながら同時に思考や計算などの認知機能も一緒に使う作業をすると、前頭葉が鍛えられます。
また、「言語的情報」と「視空間的情報」、「手続き記憶」などの複数の種類の情報を一度に展開する必要があるため、ワーキングメモリの「情報の整理」機能の強化も期待できるようです。
8、「手書きでメモやノートをとる」
『脳を鍛える大人のDSトレーニング』を監修したことで有名な、「脳トレ」ブームの火付け役とも言える東北大学の川島隆太教授の研究によると、スマホなどのデジタル機器の文字入力では前頭前野はほぼ使われていないとのこと。
そこで教授は、デジタル機器でメモを取るのではなく「手書き」を勧めています。
「手書き」はワーキングメモリの複数の機能を使う必要があり、脳に適度な負荷がかかるため脳に良いとされています。
「手書き」で文章を書くときに使われている脳の機能は主に3つ。
- 言葉の意味「言語的情報」を引っ張り出し、文章を構成する。
- 文字の形「視空間的情報」を思い出す。
- ペンを持つ、字を書く、文章全体のバランスをとる「運動の指令(中央実行系)」を実行する。
見てわかる通り、前述の「運動と知的作業のデュアルタスク」にもなっていて、前頭前野を鍛えることが期待できます。
9、「未知の体験をする」
新しい状況や人に出くわすと、まず人は「未知」=「命の危険」を連想し、「警戒心」を抱くとのこと。
「この環境、この状況は安全か?」「この人は無害か?」「この道を通ってもちゃんと家まで戻ってこられるか?」という思考、「警戒心」という危険信号が、脳全体をフル稼働させ脳内ネットワークを強化するそうです。
たとえば、散歩や通勤など、いつもと違うルートを散策してみたり、いつもと違う場所で買い物してみたり、新しい人にどんどん自分から関わって行ったりなど。
未知の体験を自ら望んで増やすことで脳全体をどんどん鍛えることができ、結果としてワーキングメモリも鍛えられていきます。
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ワーキングメモリ を鍛える方法・後編 まとめ
- 「イメージ化」は最強の脳トレ。「頭がいい人」の必須スキル!
- 「ながら運動」で脳細胞とセロトニンをどんどん増やそう!
- 脳の司令塔「前頭前野」を鍛えるとワーキングメモリも強化できる
- 思考の整理は、デジタルよりも「手書き」がおすすめ
- 未知との出会いを楽しもう! そうすれば脳も鍛えられる
さていかがだったでしょうか。情報盛りだくさん(笑)
「頭が良くなりたい!」と思うなら、まずはワーキングメモリを知ることなんだな。と、リサーチする中でつくづく実感した次第であります。
「脳科学」は非常に奥が深くおもしろいです^^
さて、強歩で散歩しながら脳トレでもやりましょうかね。
それでは!
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