【交渉力】 Assertion (アサーション)の効果と実践方法

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Assertion (アサーション)の実践方法

今回は上手に自己主張するためのテクニック Assertion (アサーション)について解説していきます。

前回は、コミュニケーションにおける認識のずれ、「誤解」や「すれ違い」が起こる根本的な原因についてお話しました。

今回は、それを踏まえたうえで、さらに「相手に深く自分の意見を聞いてもらうにはどうしたらいいか?」について、具体的なテクニックをご紹介していきます。

自分の意思をしっかり相手に伝えられるようになれれば、人間関係のストレスもぐっと減るし嬉しいですね!

Assertion(アサーション)の効果とメリット

Assertion (アサーション)の効果と実践方法

アサーティブ・コミュニケーション とは?

一言でいえば、「相手を傷つけたり、不快にさせることなく、自分の主張(本心)を上手に相手に伝えるテクニック」のこと。

「アサーティブ・コミュニケーション」とは、Assertiveness(アサーティブネス)〔自分と相手を大切にする自己表現〕という意味の言葉から派生した言葉です。

この思想は、1960代以降の人権運動が活発だった頃のアメリカで発展してきました。

様々な人種や思想が集まるアメリカで、「いかに大衆に自己の意見を受け入れてもらえるか」といった思想のもと、数多くの人々の試行錯誤を経て発達していったコミュニケーション・テクニックとも言えます。

Assertion (アサーション)のメリット

  • お互い我慢せずに言いたいことを言い合うことができる。その結果、恋人や友人関係が良好になる。
  • 相手に言いづらいことを的確に伝えることができ、仕事を円滑に進めることができる。
  • 「我慢」や「遠慮」が無くなるため、誰とでもストレスのない付き合いができるようになる。
  • 本心を堂々と表に出すことで自尊心が向上し、自信を持った言動ができるようになる。その結果、本人の魅力度も増し、周囲の評価も高くなる。
  • 対人ストレスが減ることで、メンタルの状態が良くなり、メンタルが不安定になることで起こる集中力の低下を防ぐことができる。

Assertion (アサーション)の4つのポイント

①「誠実」であること

お互いの素直な気持ちや感情を大切にしながら、自分にも相手にも嘘をつかない。

また、どちらか一方の思想のみに偏ることもなく「平等な態度」で接すること。

②「対等」であること

相手を見下さず、また、自分を卑下することなく「自分と相手を尊重した態度」をとります。

たとえ上司や部下の関係であっても、どちらも特別扱いしないことが大切。

③「率直」に伝えること

回りくどい遠回しな言い方や、感情的な言い方をせず「自分自身の言葉」で自分の意見や気持ちを素直に相手に伝える。

④「自己責任」を意識していること

「コミュニケーションによって起こる不利益は、お互い自分自身にある」ということを自覚する。

そして、相手や自分のどちらかを一方的に攻めることをしない。

「相手も悪いし自分も悪い。それぞれの責任はそれぞれが負うべきである」という考え方をすることが大切。

関係が悪化するコミュニケーションの種類

〈攻撃タイプ「アグレッシブ」の特徴〉

  • 自己主張が強く、相手を全く尊重しない意見を言う。
  • 相手の感情や考えを無視し、一方的に自分の要望を押し付ける。
  • 「自分が上」という姿勢で、相手を見下した態度をとる。
  • 勝ち負けへの執着が強く、相手を言い負かすことに全力になる。

〈非主張タイプ「ノン・アサーティブ」の特徴〉

  • 自己主張をほとんどせず、相手に意思が全く伝わらない。
  • 曖昧な表現が多く、相手に誤解を生みやすい。
  • 自分よりも相手を優先しストレスを抱え込む。
  • 「No」と言えずに、なんでも「Yes」と言ってしまう。
  • 言い訳が多く、自分の意見に自信がない。

Assertion (アサーション)のフレームワーク

フレームワーク『DESC(デスク)』法

①Describe「描写」(事実を述べる)

  • 相手に、ただただ、「客観的」な状況や事実のみを「具体的」に伝える。
  • 相手を評価することなく、また、自分の個人的な感情や勝手な推測を挟まないことが大切。

例:×「また同じミスして、やる気ないの?」

アサーティブ

→「○○が~になっているよ。(事実)この間もだったよね?(事実)」

②Explain「説明」(自分の正直な気持ちを説明する)

  • 相手の気持ちを配慮した上で、自分の正直な気持ちを伝える。
  • 相手を責めたり、感情的な意見を言ったりしないことが大切。
  • 「説得」ではなく「共感」を示す。

例:×「どうしてもっとちゃんとできないの?」

アサーティブ

→「難しいのはわかる(共感)けど、ミスが減るとみんな助かるし安心できるよ(正直な気持ち)」

③Specify「提案」(相手に望む行動を要求する)

  • 「丁寧」に、相手への提案や要望を「具体的」に伝える。
  • 相手の状況や適応レベルに合わせた、相手にとって容易な提案を心掛ける。

例:×「絶対もう二度と同じミスをするな!」

アサーティブ

→「一旦自分の行動を見直して何が難しいか(具体的な要望)一緒に考えていきましょうか?(提案)」

④Choose「選択」(相手に結果を選ばせる)

  • 「 相手が自分の提案を受け入れた場合の結果」を想像させる。
  • 「もしくは~」と、自分が出した提案に対する「代替案」を提示する。

例:×「次ミスしたらもう面倒見ないからね」

アサーティブ

→「もし次に、行動を見直しても上手くいかなかったら、別の仕事を任せることになるけどいいかい?(相手が想像しやすい代替案)」

…こうやってみると、ダメな例えめっちゃ嫌な上司だな(笑)

Assertion (アサーション)まとめ

結論:自分の正直な気持ちとやってほしい理由をしっかり相手に説明する! 「説得」よりも「共感」を意識する方が相手に伝わりやすい。
  • 「説得」ではなく相手への「共感」を示し、自分の意思を伝える。「相手に自ら変わってもらう」ためのテクニック。
  • 何も言わない(自己主張しない)のも、相手を打ち負かそうとするのと同様に、人間関係を悪化させる考え方であることを知る。
  • 自分と相手に嘘をつかず、相手を見下さず、「対等」に「誠実」に接する態度をとることがなにより大切。
  • ただただ揺るぎない「事実」のみを「具体的」に相手に伝える。「推測」や「個人的な感情・価値観」を挟まない。
  • 自分の「こうして欲しい」という「正直」な気持ちを「素直」に相手に伝える。そのうえで相手への「要望」を「提案」する。
  • 「自分の提案に載らない場合どうするか」も相手に明確に伝える。その際、「強制」にならないように気をつける

いかがでしたでしょうか?

言いたいことを我慢するのって、非常に苦しいし、現状も良くならない。

『アサーティブ・コミュニケーション』は、自分の言いたいことがお互い傷つくことなく言える「人を動かすコミュニケーション」における非常に強力なテクニックですので、ぜひお役立ててみてはいかがでしょうか。

このテクニックに出てくるキーワードは「共感」。

やはり人を動かすには、「共感」は欠かせない重要な要素なのでしょうか?

人の心に寄り添い、人の心をつかめる話ができる人間にぜひともなりたいものですね!

それでは!

 

「人間関係」を良くするテクニックについては、こちらの記事もおすすめです。
>>【心理学】人から好かれる「正しい 共感 」のやり方と 共感力 の高め方
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