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基礎心理学の種類と要点【全18種類をわかりやすく解説】

基礎心理学の種類と要点【全18種類をわかりやすく解説】 心理学解説
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基礎心理学の種類と要点

今回は「基礎心理学の種類」について解説していきます。

この記事でわかること

  • 基礎心理学の概要
  • 基礎心理学の種類

こんな人におすすめ

  • 学問としての心理学に興味のある人

基礎心理学とは?

心理学(しんりがくは、科学的な手法によって研究される心と行動の学問である。
(中略)

現在の心理学の用語の意味は、心理学の教材である『ヒルガードの心理学』では「行動と心的過程についての科学的学問」とされ、2012年の『心理学大図鑑』では「心や行動の科学を研究する」という意味であるとされる。アメリカ心理学会(APA)は「心と行動の研究」と定義している

Wikipedia「心理学」より引用

つまり、人間の心と情動に伴う行動(反応)の関係性を観測や実験、調査などの科学的なアプローチによって研究された学問のことです。

なかでも心理学は、「基礎心理学」と「応用心理学」に大別されます。

  • 基礎心理学:一般的に誰にでも当てはまる心理の法則を科学的手法を用いて観測し、理論・体系化した心理学。たとえば、発達心理学や社会心理学など。
  • 応用心理学:基礎心理学をもとに、実際の人々の生活や活動、社会活動をよりよいものにしていくために実用化を目的に研究された心理学のこと。たとえば、スポーツ心理学や犯罪心理学、産業心理学など。

今回は2つのうち、心理学の根底とも言うべき「基礎心理学」について見ていきましょう。

基礎心理学の種類

【基礎心理学一覧】

種類 概要 要点
1.知覚心理学 人間の知覚による心の反応を研究した心理学 五感や平衡感覚、重さの感覚など、感覚器官を通して人がどのようなメカニズムで知覚しているのかが研究されている。
2.認知心理学 人間の心の動きと認知活動(脳の情報処理)の関係性を研究した心理学 記憶・理解・思考・学習・推論・問題解決などの高次認知機能が研究対象で、特に「記憶」に関して重点が置かれることが多い。
3.学習心理学 経験により人がどのように行動するか、また、経験によってどのように行動が変化するのかを研究した心理学 集団心理を排するために、個体として、1人でいるときの学習の状態が研究対象。

学習と反応については「オペラント条件づけ」「パブロフの犬」などが有名。

4.発達心理学 人の一生を通して、人が発達していく変化の過程(乳児期・幼児期・児童期・青年期・成熟期・老年期)で生じる精神的変化を研究した心理学 変化は、情緒・社会性・自己認知・身体能力の4つのカテゴリに分けられる。
5.社会心理学 他者と関わり合いながら形成されていく社会活動を通して表れる心理的法則を研究した心理学 社会生活の中で変わる気分や行動も研究対象に含まれる。
6.人格心理学 ひとりひとり違う人格を個別に理解しようとする心理学

俗にいう「性格診断」や「心理テスト」などもこれに該当する

人格心理学は「パーソナリティ心理学」とも呼ばれており、人の人格や性格がどのようにして形成されていくのかも研究されている。
7.生理心理学 人間の「生理学的な活動」と「心理学的な現象」との関連性を明らかにしようと試みた心理学 「生理学的な活動」とは、汗をかく、ドキドキする、興奮する、食欲がわく、などの身体的な反応のこと。
8.神経心理学 脳の機能と人の精神活動の関連性を研究した心理学 元々は、脳の損傷によって引き起こされる高次脳機能障害について、脳のどの部位が損傷すればどのような精神障害が起こるのか、を正確に把握することを目的に確立された分野。
9.深層心理学 「無意識」を対象とした心理学 「無意識」を研究した学術においては「ジークムント・フロイト」が有名。
10.異常心理学 神経症や精神障害、人間の異常な行動や体験を記録し、その異常の構造と発生の仕組みを研究した心理学 異常心理学の研究の多くは、精神医学者の研究を土台としている。
11.比較心理学 生物の種族や民族、性別、発達段階、社会的階級などの差異を対象に比較研究された心理学 元々は、「自然淘汰説」や「ダーウィンの進化論」の影響を受け、人と動物の行動を比較観察して進化を解き明かそうとする研究から始まった分野。
12.言語心理学  

読む・書く・聞く・話すなどの言語活動とその機能や精神的影響を心理学的側面から解明しようとした心理学

言語と思考・記憶・想起・創造・情動などの関係性や言語が生成されるメカニズムや言語と社会性との関連など、言語との繋がりがある様々な活動が研究対象。
13.計量心理学 精神の性質や機能を数量的に測定する方法を研究した心理学

学問というよりは「測定法」の一種

知能や性格分析などの心理テストなどで活用されている。
14.数理心理学 心理学的現象を数理的方法(数学的な考察や情報処理)を用いて解明し、数学的アプローチによる計算によって問題解決を試みている心理学 感覚・知覚・性格などの心理学的概念の数量化が「実験心理学」の分野での不可欠な条件となっており、近年、様々な数理的研究が急速に行われている。

また、コンピューターによるより正確な精神活動過程のシミュレーションを行うという新しい分野も開拓されてきている。

15.生態心理学 人間などの動物たちが暮らし、「進化してきた場所」を「環境」としたうえで、「その環境が人間にとってどんな意味になるのか?」を研究している心理学 実験室のような「人工的な環境」ではなく、「自然界での環境」での行動を重視している。

地球上に存在する動物はすべて地球で起こり得る物理法則(慣性の法則など)の影響を受けていることが大前提で、その影響によって変動する知覚や行動との関係性も研究対象。

16.色彩心理学 色の特徴やイメージが人の心理に与える影響を研究した心理学 色彩が与える影響についてはゲーテやニュートンの研究が有名。
17.自己心理学 主に「自己愛による障害」に関する治療理論、およびパーソナリティ論として研究されている心理学 治療は第一に「自己」の観察から入り、その次に、その自己の壊れ方や欲求を探索していく。

自己心理学においては、「ハインツ・コフート」や「フロイト」の研究が有名。

18.一般心理学

 

個体差を一切考えずに、「人類全般」に通じる心理的・精神現象を研究対象とした心理学 主に「正常な精神現象や精神機能」を対象とし、普遍的で一般的な原理を探求している。

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【基礎心理学の覚え方】

  1. 知覚心理学:人間の感覚による心理的反応を研究。
    例:温かいものに触れると安心する。耳障りな音を聞くと不快に感じる。など。
  2. 認知心理学:人間の心理的反応が認知機能に与える影響を研究。
    例:緊張で言葉が出てこない。気分が上がって集中力が増す。バイアスによって誤った判断をしてしまう。など。
  3. 学習心理学:学習(経験)によって変わる行動の変化を研究。
    例:マウスの実験で、ボタンを押すとエサが出てくるようにすると、ボタンを積極的に押すようになり、逆に電気ショックが与えられるとボタンに近づかなくなる。など。
  4. 発達心理学:人が発達していく過程で変化していく心理的傾向を研究している。
    例:思春期に「自分独自の考え」に意識が向きやすくなる。65歳を過ぎて「人生の終わり方や人生の責任」について考えるようになる。など。
  5. 社会心理学:社会や集団から影響される人間の心理を研究。
    例:「見られている」という意識から自制心が芽生える。「流行」や「時代の象徴」に経済の流れが左右される。など。
  6. 人格心理学:個体差のある「性格(人によって異なる心の反応や行動パターン)」についての研究。
    例:心理テスト、ビッグファイブ。など。
  7. 生理心理学:生理反応と心理現象との関連性を研究している。
    例:緊張するとのどが渇く。ウソをつくとき心拍数が上がる。など。
  8. 神経心理学:脳機能と心理活動との関連性についての研究。
    例:トラウマのショックで記憶を失くす。性欲が抑えられず衝動的になる。など。
  9. 深層心理学:「無意識」が与える心理的反応や行動についての研究。
    例:自分が密かに恥じている自分の弱点と同じ要素を持つ人を避けたがる。過去に一瞬見せられただけの画像と関連する選択肢を意図せず選ぶ。など。
  10. 異常心理学:様々な精神異常の仕組みについての研究。
    例:周りすべてが敵に感じられ、人の目が異常に気になる心理。過度な孤独や不安からアルコールに溺れる精神状態。など。
  11. 比較心理学:様々な生物の違いによる精神活動の差異について研究。
    例:人間とチンパンジーにおける上位者(社会的階級)に対する接し方の違い。アフリカと東南アジアの鳥の習性についての比較。など。
  12. 言語心理学:言語活動がもたらす精神的影響についての研究。
    例:言語の違いによる思考回路や文化の違い。言語表現の違い(意味は同じ)によって促される行動の違いなど。
  13. 計量心理学:精神活動を「数値化」して、様々な心理実験に応用できないか試みた研究。
    例:反応の違いにおける脳波の測定。心理テストにおける一つの質問に対する5段階評価(完全に当てはまる・当てはまる・どちらでもない・あまり当てはまらない・完全に当てはまらない)など。
  14. 数理心理学:様々な心理現象を数学的アプローチを用いて解明する心理学の研究。
    例:全く同じ要素を持つ人でも、ポジティブな側面を先に見せられるか、ネガティブな側面を先に見せられるかによって評価が変わる。ゲーム理論。など。
  15. 生態心理学:生物が暮らす自然環境における精神活動についての研究。
    例:山間部に暮らす人と海辺に暮らす人との文化や気質の違い。周囲の環境(音、光、においなど)による行動のコントロールの仕方の特徴など。
  16. 色彩心理学:色が与える心理的影響を研究。
    例:赤い色を見ると体感温度が上がる。白色は軽く、黒色は重そうに感じる(見える)。など。
  17. 自己心理学:「自己愛」について研究。
    例:他者への依存と自立、幼少期に接する両親の反応によって形成される自己の特徴。自己愛性パーソナリティ障害の精神構造の分析。など。
  18. 一般心理学:「人それぞれ」という要素を排除した、「正常な精神構造をした人類全般」に共通する普遍的で広義的な心の反応を研究。
    例:いいことも悪いことも相手にお返ししたくなる「返報性の原理」。相手に都合よくコントロールされている(自由意思を奪われている)と感じると正反対のことをしたくなる「心理的リアクタンス」。など。

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