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【 思考力・言語知性を高める 】前頭葉の機能と役割

思考力 前頭葉 【 思考力・言語知性を高める 】 前頭葉 の 機能 と 役割 脳機能・脳の仕組み
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【 思考力・言語知性を高める 】前頭葉の機能と役割

どうも! Kuです。今回は「脳の司令塔」と呼ばれている「 前頭葉 」の機能と鍛え方についてわかりやすく解説していきます。

前頭葉を鍛えることで、思考力や判断力、集中力だけでなく、言語的表現力(トーク力)や実行力など、「頭をよくする」ための様々な機能を高めていくことができます。

今回の記事の内容は以下の通り。

1:前頭葉の役割と鍛えるメリット
2:前頭葉の機能低下によって起こること(前頭葉の機能を保つ理由)
3:前頭葉を効果的に鍛えるトレーニング方法
特に仕事効率や受験勉強などで「いまいち要領がつかめなくてうまくいかないなぁ」という方々は、「前頭葉」を鍛えることで改善できる可能性が高いです。

前頭葉 の役割と鍛えるメリット

参照:みんなで鍛える全脳トレーニング 前頭葉

参照:みんなで鍛える全脳トレーニング

前頭葉 を鍛えるメリット

  • 思考力、判断力、意思決定力が高まる
  • 集中力や注意力が高まる
  • ワーキングメモリが鍛えられ作業効率が高まる
  • 感情コントロールが容易になり、感情的になりにくくなる
  • やる気や意欲が高まる
  • 言語表現力(トーク力)が高まる
  • 創造力(新しいアイデアを生み出すひらめき力)が高まる
  • 遂行力(計画や手順通り行う能力)や実行力が高まる
  • 想起力(思い出す力)が高まる
  • 同時遂行力(複数の作業を並行して行う能力)が身につく

「脳の司令塔」と呼ばれる「前頭前野」を鍛えることによって、総合的な「頭の良さ」を養うことができます。

要領よく仕事をこなせるようになったり、トーク力が身につきコミュニケーション能力が高まったり、自制心が高まりいつも落ち着いて行動できるようになったりと、いわゆる「デキる人」と思われる能力を高められるのが、「前頭葉」を鍛える大きなメリットです。

「言語的表現力」の高い人が知的に見えたりすることがありますが、実際に前頭葉にある「言語表現」を司る部分が発達することによって前頭葉の他の機能も向上しているのです。

ちなみに、よく言われている「話がうまい人=頭の回転が速い人」というのは的を得ていると言えます。

反対に、前頭葉の機能が低下することによって、勘違いや判断ミスが増えたり、感情が抑えきれず衝動的になったり、言葉がうまく出てこず人にうまく説明できなくなったりなど、俗にいう「頭の悪い人の特徴」が目立つようになります。

前頭葉 (前頭前野)の機能と役割

前頭前野はヒトをヒトたらしめ,思考や創造性を担う脳の最高中枢であると考えられている。
前頭前野は系統発生的にヒトで最もよく発達した脳部位であるとともに,個体発生的には最も遅く成熟する脳部位である。
一方老化に伴って最も早く機能低下が起こる部位の一つでもある。
この脳部位はワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プラニング、推論などの認知・実行機能を担っている。
また、高次な情動・動機づけ機能とそれに基づく意思決定過程も担っている。 さらに社会的行動、葛藤の解決や報酬に基づく選択など、多様な機能に関係している。
脳科学辞典「前頭前野」より引用

「前頭前野」は大脳の約30%を占める、人間の「知性の高さ」を表す様々な機能を担っている脳の領域です。

主に、『高次脳機能』と呼ばれる「思考」「判断」「感情コントロール」「意欲や関心」「創造性」「言語や感情表現」「記憶や経験の応用」「記憶した技術や動作の再現」などの「知能的な役割」を担っています。

〈前頭前野の機能〉

  • 自制心や感情コントロールなどの「理性」をつかさどる
  • 思考、判断、伝達、創造などの「考える」機能
  • 集中力や注意力を発揮する
  • 自発性(やる気)や関心・意欲を引き起こす(ドーパミン感受性ニューロンの大半は前頭葉にある)
  • 顔の表情や手、腕の動きのコントロールを行う
  • 高度の情動や動機付け、意思決定を行う
  • 改善能力(手順を分析し作業効率を考える)
  • 遂行力(計画やスケジュールを立て、その通りに実行する)
  • 問題解決能力(問題を分析して原因を特定し、解決策を考え出す)
  • 言語、概念の理解や活用する能力
  • 記憶を引き出し、記憶をもとに判断や思考する能力(ワーキングメモリ)
  • 人間らしい感情表現や社会性(人との交流や集団の中でうまくやっていくための素質)を表す能力

〈前頭葉にある領域ごとの役割〉

  • 前頭連合野
  • 高次運動野(運動前野、補足運動野)
  • 一次運動野
  • 前頭眼野
  • 言語野・ブローカ野(運動性言語中枢)

〈前頭連合野〉

思考・判断・情動コントロール、創造力(新しいものをつくり出す能力)、コミュニケーション能力など人間の「知性」を表す「高次脳機能」をつかさどる。

〈高次運動野〉

運動前野:視覚などの知覚情報に基づく運動や、運動の企画・準備、運動内容の理解など思考を用いた意図的な運動を行う役割。

また、道具を使ったり、覚えた技術を再現したり、複数の動作を伴う一連の動作を行ったりする役割も担っている。

(ぶつかりそうになったから避ける、雨が降ってきたので傘をさす、電車が揺れそうなので踏ん張る、食材をみじん切りにする、など)

補足運動野:運動の開始や抑制の指令を一次運動野に伝える役割。

また、「補足運動野」は手足の動きの調整など運動の「補助」をする働きをする。

〈一次運動野〉

手足を動かしたり、「高次運動野」からの指令を骨や筋肉にある神経に伝えたりする役割

〈前頭眼野〉

眼球の意図的な運動をコントロールする役割

〈言語野・ブローカ野(運動性言語中枢)〉

言語野:会話や文章を書く、などの言語を司る領域。
ブローカ野(運動性言語中枢):言葉を発するための喉、舌、声帯のコントロールを行う領域。

やる気をつかさどる「背外側前頭前野(DLPFC)」とは

「背外側前頭前野(DLPFC)」の機能

  1. 意欲や興味関心を引き起こす
  2. 集中力を発揮する
  3. 喜怒哀楽などの情緒のコントロール
  4. 睡眠や食欲などの欲求のコントロール
  5. 意味記憶(内容を理解した上で記憶する能力)

ちなみに、勉強を始める準備運動として、「10分間の音読」をするのが効果的です。

「音読」によって「背外側前頭前野(DLPFC)」が活性化するので、やる気や集中力、意味記憶の機能の向上など、学習に必要な脳の機能を高めることができます。

音読できるのであれば、教科書や参考書、英文など学習に関わる文章でも、自分が好きな小説でも何でも構いません。

前頭葉に関する障害

前頭葉の機能が低下することによって自制心や関心意欲、言語表現に関わる能力、社会性(人との交流や集団の中でうまくやっていくための能力)が失われていきます。

また、年をとってから急に攻撃的になったり、人目を気にしない反社会的な言動や行動をとったりする人が目立つことがありますが、それは、老化によって前頭葉が委縮することが原因で起こるといわれています。

前頭葉の機能が低下することによって他にも、思考力が鈍りボーっとする時間が増えたり、新しい物事が覚えづらくなったり、計画を立ててその通りに行動することが難しくなったりもします。

〈前頭葉の損傷によって表れる主な症状〉

  • 自制心が著しく低下し、感情的になりやすくなったり衝動的な行動をとりやすくなったりする
  • 興味、関心、意欲が低下、消失する
  • 注意力散漫になる
  • 物忘れが激しくなる
  • 流暢な会話が困難になる
  • 複雑な動作を手順通り行うことができなくなる

など。

『前頭側頭葉変性症』

※「4代認知症」のひとつ、一昔前は「ピック病」とも呼ばれていた。

「前頭側頭型認知症」「意味性認知症」「進行性非流暢生失語症」の3タイプに分かれる。

1.「前頭側頭型認知症(ぜんとうそくとうがたにんちしょう)」

  • 落ち着きがなくなる
  • 興奮状態になりやすくなる
  • 突然泣き出したり、突然笑ったりなど情緒が不安定になる
  • 欲求を我慢できず衝動的になる(人の物をとる、割り込みや公的ルールの無視、いきなり暴力的になる、悪ふざけが増えるなど反社会的な行動が目立つようになる)
  • 身だしなみに無頓着になる
  • 周徊(同じ場所を徘徊すること)を行うようになる
  • 常同行動(意味もなく同じ行動を繰り返す症状)が表れる
  • 会話にオウム返しが増える
  • 意欲や関心の消失
  • 共感能力の欠如
  • 暴言や失礼な言動の増加

2.「意味性認知症」

  • 単語の意味や概念が理解できなくなる(りんごと言われてもりんごの意味を理解できない。ただ、会話はできる)

3.「進行性非流暢失語(しんこうせいひりゅうちょうしつご)」

  • 「発音失行」:言葉がスムーズに出てこず、話がつっかえたり、抑揚が乱れたりとたどたどしい発音になったりする(言葉の意味は分かる)
  • 「失文法」:文法表現を正しく使えなくなる(「てにをは」が抜け落ち、単語でしか会話のできない状態になる。例えるなら外国語を正しく話せないような状態)

『ブローカ失語(運動性失語)』

  • 言葉が出てこない、言葉の意味が分からなくなるなど、会話が困難になる。

『注意障害』

  • 集中力が切れやすく、ひとつの物事に長時間とり組めなくなる
  • 同時に複数のことに注意を向けることができなくなる
  • 常に周囲の環境に気をとられ落ち着かなくなる

『記憶障害』

  • 新しいことが覚えられなくなる
  • 自分が話した内容を忘れる
  • 同じミスを繰り返す(経験記憶の低下)
  • 物を失くしやすくなる

『遂行機能障害』

  • 計画を立てて行動することができなくなる
  • スケジュールを組むことができなくなる
  • 手順通りの作業を行えなくなる
  • 要点が定まらず、優先順位を決めることができなくなる
  • 計画の進捗状態を評価できなくなる

『気分障害』

  • 夢中になっていたものに全く興味・関心がわかなくなる
  • 意思をもった行動をとらなくなる
  • 服を選ぶ、食べるものを決めるなどのちょっとした意思決定でさえ困難になる
  • 欲求の抑制ができず衝動的な行動をとりやすくなる
  • 気分が優れず、抑うつ状態になる

『易疲労性』

  • 頭がぼんやりして上手く思考できなくなる
  • 日中、急激な睡魔に襲われることが頻繁に起こる
  • 常に疲れやすく、精神的疲労がとれなくなる

前頭葉を効果的に鍛えるトレーニング方法

前頭葉を鍛えるトレーニング方法

前頭葉が完全に成熟するのは25歳前後と言われており、これは成人期の認知的成熟の印とされている。UCLA のアーサー・トーガ (Arthur Toga) の研究によって、前頭葉の白質の髄鞘は10代の被験者より若い成人の被験者において増加していることが発見された。
Wikipedia「前頭葉」より引用

前頭葉が最も増える期間は20~25歳の間と言われており、特にこの時期に前頭葉を鍛えておくことが大切です。

20歳を過ぎてから急激にスキルアップを考え出したり、人との交流も含めいろんなことに興味や関心を抱きやすくなったりすることがありますが、前頭葉の発達も影響していると考えられます。

また、完全に成熟するのは25歳前後と言われています。

なら、「25歳を過ぎたら前頭前野を鍛えることができないのか?」と思われるかと思います。

ですがそんなことはなく、「前頭葉」の機能は日ごろから使い続けることで鍛え続けることは可能です。

これは「前頭葉」に限った話ではありませんが、「脳の可塑性」といって、「脳の神経細胞の増加」や「脳内ネットワークの構築」は年齢に関係なく、脳に刺激を与えることによって何歳でも起こります。

「成熟」とは、バラバラだった前頭葉のそれぞれの機能の連携が整うことを意味します。

つまり「前頭葉の成熟=思考がよりまとまりやすくなった状態」ととらえるのがよいでしょう。

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前頭葉を鍛える方法TOP3

1位:新しい発見をする

  • 地図を一切見ずに旅行する
  • 知らない街を探索する
  • ルーティンワークのやり方を毎回ちょっとづつ改善させる
  • 毎回違うタイプの服を選んだり、違う食事をとるようにする
  • いつもと違う食材を買ってみる
  • いつも違うルートを散歩する
  • 普段読まないジャンルの本を読む
  • 逆転劇のある(驚きのある)ドラマや映画、本などを見る

「経験にないこと」「想定外のこと」に対処しているとき人は「前頭葉」を使っています。

「これからどうなるんだろう?」という好奇心を抱いているとき、前頭葉の血流がアップしているという研究結果もあるようです。

さらには、「あ、なるほど」という新しい発見があることで前頭葉が活性化するので、前頭葉をより鍛えることができます。

言い換えれば、前頭葉を鍛えるには「ドキドキ」や「ワクワク感」が重要ということです。

2位:人との会話や交流

  • 初対面の人と積極的に会話する
  • 相手の表情や雰囲気を意識しながら会話する
  • 趣味のサークルを作り、多くの人と交流する
  • 人の良いところを探す

人との会話は「思考力」「言語表現」「相手の感情を読み解く判断力」など前頭葉の機能をフルに使うことができます。

さらに、人は初対面の人に対して警戒心が強くなり、それによって生存本能に関わる「敵、味方の判断」をする際に前頭葉の機能がフルに使われます。

なので、慣れていない人との会話の方が、前頭葉を鍛えるのには効果的です。

3位:ワーキングメモリを鍛える

前頭葉を鍛えるには「ワーキングメモリ」を鍛えるのも効果的です。

過去に記事にしていますので、よければそちらをご覧ください。

ワーキングメモリを鍛えるのなら他にも「二重Nバック課題(dual n-back task)」がおすすめです。

「二重Nバック課題」とは、スザンヌ・イェギによって2003年に提唱された脳活動を調べる際に用いられた脳の機能を調べる課題(脳のタスク)のことです。

簡単に説明すると、一次記憶想起(アウトプット)を同時並行で行うタスクを持続的に行っていきます。

たとえば、記号や数字、図形の表れる位置などを記憶しながら、数個前に出現したものを同時に答えるということをしていきます。

詳しいやり方は、以下の記事がとても参考になったのでよかったらご覧ください。

前頭葉 を鍛えるのに効果的とされるその他の行動

  • 料理や家事全般(掃除、洗濯、買い物など)(思考、判断、創造力、同時遂行力をフルに使う)
  • 音読(「読んで理解する」機能と「話す」機能を同時に使う)
  • 楽器全般(特に指先の繊細なコントロールが求められるピアノがおすすめ)
  • ダンス(思考、イメージからの運動の指令を正しく再現する)
  • ものまね(観察対象を分析し頭の中のイメージを再現して模倣する能力)
  • 折り紙、豆つかみ、パズル、模型、裁縫など(高次運動野を使う、手先の器用さが求められる作業)
  • スケジュールを立て、変更を加えずスケジュール通りに行動する(遂行力を高める)
  • ToDoリストの優先順位を決める(タスクの分析と計画の組み立てを行う)
  • クイズやなぞなぞ、間違い探しなどの頭脳を使った遊びをする(思考力や発想力を鍛える)
  • 読んだ本の内容を思い出す(過去の情報を脳から引き出す)
  • 間違い探し(注意力と短期記憶を要する)
  • よく笑う、楽しいことを思い出す(ドーパミンを出す)
  • やる気のあるうちに行動を始める(集中力を高める)
  • 有酸素運動(前頭葉の細胞が増える)
  • マインドフルネス(自制心の向上)
  • メモは手書きにする(メモは「指先を使う」「思考する」「言語表現をする」という前頭葉の機能をフルに使う上に、さらに「文字を書く、文字として表現する」行為は『頭頂葉』の機能も使うので電子メモよりも脳に負荷がかかるので脳を鍛えるのにいいとされています)
  • 嫌なことを思い出し、その状況に感情的にならず冷静に対処している姿をシミュレーションする(感情コントロール)
  • 節約(欲求をコントロールする、やりくりのための計算をする)
  • 高速計算、高速音読(高速でやることで負荷が高まり、より鍛えられる)

【番外編】 前頭葉 の負担を減らす行動

以下にあげる内容は、前頭葉に限らず「脳全体の負担」を減らす効果もあります。

具体的には、「過度なストレスの緩和、解消」「脳疲労の解消」「脳の血流改善」などが重要なポイントです。

    • 不安を紙に書き出す(ストレスの解消)
    • 仮眠(集中力の回復)
    • 瞑想(脳疲労の回復)
    • 長時間ゆっくりお風呂に入る(エンドルフィンの分泌)
    • 自然の中を歩く(ストレスの緩和、脳疲労の回復)
    • 冷たい水を飲む、頭を冷やす(脳の血圧を下げる)
    • 深呼吸(副交感神経を優位にさせる=リラックス効果を得る)

〈「脳科学」に関するおすすめ本〉


「脳を鍛える方法」に関しては、以下の記事もおすすめです。
>>【 感覚を鍛える 】 頭頂葉 の 役割 と 鍛え方

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