【 世界の心理学③】わかると面白い「○○ の 心理 法則 」一覧
どうも! Kuです。前回から引き続き「世界の心理学」シリーズ。今回は様々な心理学の「 原理 法則 」についてご紹介していきます。
〈心理学に関するおすすめ本〉
働きアリ の 法則
「作業」に関する集団心理の法則。
「全体の8割のアリはよく働き、あとの2割のアリはサボり出す。そして集団の中の2割のアリが全体の8割の仕事量をこなしている」と言われています。
・働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。 ・働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている。 ・よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。 ・よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働くアリになり、全体としてはまた2:6:2の分担になる。 ・よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり2:6:2に分かれる。 ・サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。 Wikipedia「働きアリの法則」より引用
「働きアリの法則」を人に当てはめた心理現象で「リンゲルマン効果」という法則があります。
これは「集団の規模が拡大して作業する人数が増えるほど、1人当たりのパフォーマンスが下がる」心理現象が起こることを言い、別名「社会的手抜き」とも言われています。
ちなみに、同じ会社内でいくつも部署があることは、経営管理的に有効ではありますが、心理学的にも「リンゲルマン効果」の影響を小さくすることができるので、とても理に適っていると言えそうです。
単純接触 の 原理
「繰り返し接したものほど好感度が高まる」という心理現象が働くこと。
アメリカの心理学者「ロバート・ザイアンス」が1968年に提唱したことから別名「ザイアンス効果」とも呼ばれており、もともとは「対象を知れば知るほど警戒心が弱まり印象がよくなる」という心理現象のことを言います。
人と仲良くなる一番のコツは「お互いのことを頻繁によく話し合いお互いのことをよく知ること」です。
この効果は人だけでなく、音や味、におい、場所、広告やモノ、図形や漢字などでも同様の心理現象が起こります。
最もこの効果を利用して成功しているもののひとつがTVCMです。
実際に、CMの露出頻度が増えるほどそれに比例して商品が売れているようです。
「恋愛心理学」や「対人心理学」などの本や動画などで必ずといってもいいほどよく扱われている、ものすごく有名な心理効果ですね。
類似性 の 法則
「類似性の法則」とは、「自分と同じ性質を持つ人に親近感を覚えやすくなる」心理法則のことです。
「類は友を呼ぶ」といいますが、まさに類似性の法則に当てはまります。
好きな物、出身地、趣味、価値観などのパーソナルなものから、態度、喋り方、見た目の雰囲気などの外見的なものまで類似性の法則は何にでも当てはめることができます。
開放性 の 法則
「開放性の法則」とは、「相手の人間的な側面やプライベートな部分を知ると相手に親しみを感じやすくなる」心理法則のこと。
自分の内面やプライベートなことを話して、相手に自分の情報を提示することを「自己開示」といいます。
つまり、自己開示をしてくれる人ほど相手に親しみを感じてもらいやすくなります。
強すぎる自己主張はときに嫌がられる原因にもなりますが、人と親密な関係になるためには適度に自分のプライベートなことを話すことも大切です。
あまくさ の 法則
「あいづち」「まとめ」「クエスチョン」「賛美」の頭文字をとったもので、相手が気持ちよく話しやすくなる「聞き上手」になるためのコツをまとめた法則のことです。
それぞれの効果は以下の通りです。
- あいづち=「リアクション」→「自分の話に反応してくれた!」と思わせられる。
- まとめ=「会話への理解」→「自分の話をしっかり聞いてくれている」と思わせられる。
- クエスチョン=「興味を示す」→「自分のことを話してもいいんだ」という安心感を抱かせられる。
- 賛美=「相手を承認する」→相手の「承認欲求」を満たすことができる。
どれも相手のポジティブ感情を高める効果があるので、「会話が苦手」という方は、まずは「あまくさの法則」から始めてみるのもいいかもしれません。
ボッサード の 法則
アメリカの心理学者「ボッサ―ド」が発見した法則で、「物理的な距離と心理的な距離が比例する」という心理法則のこと。
つまり、「物理的な距離が近づくほど精神的な距離も近づき」、「物理的な距離が遠くなるほど精神的な距離も遠くなる」現象が起きます。
「遠距離恋愛は長続きしない」と言われるのは、この心理法則の効果が大きいと言われています。
ちなみに、遠距離恋愛を成就させる秘訣は「連絡をマメにとること」だそうです。
連絡を取り合っている間のお互いの「時間」を対価にすることで、「認知的斉合性」の心理作用が働きます。
「認知的斉合性」とは、簡単に言うと「行動と態度、心情との関係に一貫性を持たせたい」という欲求が働くことを言います。
つまり、連絡をマメにとることで「手間をかけているのは=相手が好きだからできる行為であり=ゆえに私は相手が好きなのだ」という精神状態を保つことができるようです。
まぁ、それができたら苦労はしなさそうではありますが…(笑)
エビングハウスの忘却曲線
ドイツの心理学者「ヘルマン・エビングハウス」が1885年に出版した『記憶について:心理学への貢献』の中で書かれた実験のデータ「長期記憶の忘却の推移を表す曲線」のこと。
学習法について調べたことのある人なら一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか。
一日のうちに保持される記憶量は約34%で残りの約66%、つまり半数以上は一日のうちに忘却されるそうです。
一日を過ぎたあたりから忘却率は次第に緩やかになっていきます。
ちなみに、忘却と記憶の仕組み的に反復学習は1日、2日、6日、1か月後おきにするのが効率的と言われています。
つまり、試験勉強をするのであれば、
- 学習した次の日
- 一週間後
- 一か月後
の3つのタイミングで反復学習をするのが効果的といえそうです。
エビングハウスは他にも、「反復学習における情報処理のスピードの変化」を表す「学習曲線」についても提唱しています。
この学習曲線によるデータは、反復学習の成果は一定に表れるのではなく、ある日を境に急激に伸びることを物語っています。
これは、「情報や刺激が蓄積し記憶や脳のネットワークが構築されることで脳の処理速度が上がるため」です。
ただ、構築には情報量と時間が必要なため、脳内のネットワークが完成するまですぐには成果が出ないと推測されています。
これは知識の「学習」だけでなく、運動や感覚などにも当てはまります。
つまり、スポーツや楽器などの練習でなかなか成果が出ないという人は今は焦る必要はありません。
地道な反復練習で「脳内ネットワーク」が構築されれば、ある日を境に急激に伸びる可能性もあるからです。
がんばりましょう!
作業曲線
ドイツの精神医学者「エミール・クラペリン」が1902年に発表した「時間の経過に伴う作業量の変化を表したデータの曲線」のこと。
作業量の変化量には個人差がありますが、曲線の描き方は多数の人に共通します。
大抵は、作業開始時は成績が低く、時間の経過とともに次第に効率がよくなっていき成果量も増えていきます。
そして、ピークに達した後で徐々に下降していくのが一般的です。
ちなみに、その下降の原因になるのは主に「疲労」によるものだそうです。
作業曲線が変化する要因には以下のものがあります。
《人的要因》
- 知能
- 感情・意志力
- 体力・健康面
- 年齢・熟練度
- 性別
《作業要因》
- 手作業 or 機械を使った作業
- 単純作業 or 複雑作業
- 肉体的作業 or 頭脳的作業
《環境要因》
- 照明、環境の色彩
- 風通しのよさ、騒音、温度、湿度
- 天候、季節、時間帯
- 作業や休憩のタイミングや時間
- 人間関係
「作業効率がなんとなく悪いな」と感じる方は、上記のなんらかの条件を変えてみることをおすすめします。
ちなみに、全体的な成果量を上げたいのであれば、「いかにピークまでの時間を短くできるか」そして、「いかに疲労を軽減させてピークを保つか」がマストになるようです。
古典的条件付け
これは、ロシア(旧:ソビエト連邦)の生物学者「イワン・パブロフ」が1903年に発表した有名な研究「パブロフの犬の実験」をもとにした理論のことです。
これは、「条件反射」もしくは「レスポンデント条件付け」などとも呼ばれています。
「条件反射」とは、「なんらかの刺激と本来その刺激と結びついていない生理学的反応を結び付けて反射(自動的な反応)を起こさせること」を言います。
*生理学的反応:外部の刺激に対する生体の機能的な反応のこと。 たとえば目にゴミが入ったら涙が出る、暗闇で怪しい物音がしたら(危険を察知したら)ノルアドレナリンが出るなど。
また、反応と刺激は以下のように分けられます。
《刺激と反応の種類》
- 無条件刺激:本来の生理学的反応を起こさせる刺激
- 中性刺激:本来の生理学的反応と結びついていない刺激
- 条件刺激:条件反射を起こさせるために特定の生理学的反応と結びつけられた刺激
- 無条件反射:特定の刺激に対して生まれつき結びついている生理学的反応
- 無関連反応:中性刺激に対する反応
- 条件反射:条件刺激による反応
『パブロフの犬の実験』で例えると以下のようになります。
- 犬の目の前でベルを鳴らして、犬にベルの音を聴かせる(中性刺激)
- 犬に餌をやることで唾液を出させる(無条件刺激→無条件反射)
- ベルを鳴らしてからエサを与えることを繰り返す(中性刺激+無条件刺激→中性刺激を条件刺激に変換)
- ベルを鳴らす(条件刺激)→犬は唾液を出す(条件反射)
つまり、「ベルの音が聞こえる=エサがもらえる」という刷り込みをすることによって、「唾液を出す」という生理学的反応を引き起こせるようになります。
心理法則 と 原理 まとめ
- 働きアリ の 法則:集団のなかで8割はよく働き残りの2割はサボり出す現象が起こる法則のこと。
- 単純接触 の 原理:繰り返し接したものほど好感度が上がる心理法則のこと。
- 類似性 の 法則:人は自分と似た要素のある相手に親近感を感じやすくなる心理法則のこと
- 開放性 の 法則:プライベートなことを話す人は親近感を持たれやすくなる法則のこと。
- あまくさ の 法則:「聞き上手」になるための基本になる心理テクニックをまとめた法則のこと。
- ボッサード の 法則:物理的な距離が遠くなるほど心理的な距離も遠くなる心理現象が起こる法則のこと。
- エビングハウスの忘却曲線:長期記憶の忘却の推移を表したデータの曲線のこと、忘却曲線を利用して反復学習をするのが効率的。
- 作業曲線:時間の経過とともに変化する作業量の推移を表したデータの曲線のことで、様々な要因によって変化する。
- 古典的条件付け:「条件反射」についての法則のこと。
〈心理学に関するおすすめ本〉
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