世の中の様々な「 思考法 」調べてみた【○○シンキング一覧】
今回は、さまざまな「 思考法 の 種類 」について解説していきます。
さて、世の中にはさまざまな思考回路を持った人がいます。
周囲を見渡しあらゆる可能性を考えたうえで常に安定した結論を出す人もいれば、細かいデータをみて情報を分析してからでないと落ち着かない人もいて、結論の導き方は人それぞれだと思います。
「思考回路」と表現されますが、人によって結論の導き方、「思考の型」に違いが出てくるのは面白いですね。
ところで、世間一般で言う「頭のいい使い方」には、どんなものがあるのでしょうか?
思考法と言えば「ロジカルシンキング」が有名ですが、他にも思考法はないか? あるとしたら、どのようなプロセスをたどるのか?
そんな疑問から、今回さまざまな思考法について調べていきました。
ただ、今回は一覧のざっくりとした概要のみで、詳しくは個別にやっていこうかなと考えております。なので、大まかでもいいので、なんとなくでも「こんな思考方法があるのかあ」と参考になれば幸いです。
◆この記事でわかること
- 思考法の種類と特徴
- 頭の使い方の基礎が学べる
◇こんな方におすすめ
- 思考力を高めたい人
- 様々な思考法を仕事に活用したい人
「○○シンキング」一覧(全12種)
- ロジカル・シンキング(論理的思考)
- クリティカル・シンキング(批判的思考)
- ラテラル・シンキング(水平思考)
- マルチフェイステッド・シンキング(多面的思考)
- プロセス・シンキング(問題解決思考)
- バックワード・シンキング(仮説・逆算思考)
- アナリティカル・シンキング(分析思考)
- アナロジー・シンキング(類推思考)
- コンセプチュアル・シンキング(抽象化・概念化思考)
- コンテクスト・シンキング(文脈・背景思考)
- デザイン・シンキング(設計思考)
1. ロジカル・シンキング(論理的思考)
思考法の概要
ロジカルシンキングのポイント
客観的な「事実」をもとに、論理(物事のつじつま)に「矛盾の無いように」推論し、結論を出すこと。
ロジカルシンキングの手順
思考法の具体例
ロジカルシンキングの弱点
「前提条件」次第で結論がガラッと変わる場合がある。
ウソのデータや思い込みが一つでもあると、論理が破綻しやすい。そのため、「データの確実性」をより明確にする必要がある。「クリティカルシンキング」と組み合わせて使うと矛盾に気づきやすくなるためおすすめ。
2. クリティカル・シンキング(批判的思考)
クリティカル・シンキングの概要
クリティカル・シンキングの手順
思考法のポイント
「絶対こうに違いない!」という思考を一切捨てること。前提条件から疑い、課題や解決策がはっきりするまで何度も疑問を投げ続けていく。
人の思考にはバイアス(思い込みや思考の偏り)が働くことを常に意識する姿勢を持つことが大切。
関連記事:【 バイアス 回避 】思い込みを回避する デバイアス の やり方
思考法の具体例
クリティカル・シンキングの弱点
対人関係で用いる場合、すでに結論が出されている議題に対して疑いを持つときりがなく、根底からテーマを覆してしまう場合がある。そのため、話し合いが振出しに戻りやすく、滞りやすくなる。
また、受け手次第では「批判された」印象が強く残る場合もあるため、交渉が決裂しやすくもある。
「全てを満足させる完璧な回答」というのはそうそうないので、クリティカルシンキングは情報収集やアイディアの精査に用いる方が安定する。
3. ラテラル・シンキング(水平思考)
ラテラル・シンキングの概要
要は、普段考えないような、様々な方向の考え方を複数同時に展開してまとめる思考法。
ラテラル・シンキングの手順
思考法のポイント
人、場所、物、状態、時間、方法、前提条件、心理など、1つの事象を様々な視点、要素から細かく見直し、「○○の条件だったら~」という思考を何度も繰り返していくこと。
「これはこうに違いない!」という思い込みを捨て、「今までにないやり方」を探すつもりで思考すると、より斬新なアイディアが生まれやすい。
思考法の具体例
Q.2人の子供に1つしかないケーキを、お互いが不満の無いように公平に分けるにはどうしたらいいか?
A.片方の子供にケーキを切り分けさせ、もう片方の子供にどちらのケーキがいいか選んでもらう。
→切り分けた方の子供が選ぶと、自分の分を大きく切ってしまう可能性がある。なので、切り分けていない子に選ばせることで自分が最初に選べないと知れば、自分が損しないようにより均等に切り分けようとするはず。
など。
一般的な分け方だと、「第三者が切り分けて」「不満が出ない分け方を探す」という思考になりそうなところを、「ケーキをもらう側の本人に切らせる」「ケーキを選ぶのも本人達」という「切り方」「分け方」を別の視点から新しい方法を発想している。
ラテラル・シンキングの弱点
自由に枝葉を広げていく思考法のため、本来の課題とはかけ離れた思考になる場合がある。つまり、本筋から外れやすい。また、実現不可能な発想に行きつく場合にもなりかねない。
もちろん、斬新なアイディアで問題解決できる場合もあるが、具体的なプロセスをたどる目標達成には少々不向き。
本筋から大きく外れた場合は、ラテラルシンキングで発想した思考のプロセスをロジカルシンキングで再度検討していくことで、課題解決への軌道修正を行う。
つまり、「ラテラルシンキングで自由に思考を拡大させ、ロジカルシンキングで一本筋が通った思考にまとめる」という思考プロセスが安定しやすくなる。
4.マルチフェイステッド・シンキング(多面的思考)
マルチファスティッド・シンキングの概要
あらゆる可能性、あらゆる要素を考慮して最適な結論を出していく。異なる複数の視点で物事を見ることによって、新しいアイディアやプランが見つけやすくなる。
多面的思考の手順
思考法のポイント
ひとつの物事をさまざまな視点でとらえ、細かい要素に分解して考えること。
思考法の具体例
マルチファスティッド・シンキングの弱点
確率の小さな可能性にまで思考を巡らせる場面も多くなると本来の目的や重要な課題が埋もれてしまい、思考がまとまらなくなる場合がある。
目的からブレないためにも、しっかりと議論、課題の核や思考の最終目的を定めておくことが大切。
5. プロセス・シンキング(問題解決思考)
プロセス・シンキングの概要
特に「結果をどう生み出すか?」に注視してプロセスの課題や問題点を明確にしていく。
プロセス・シンキングの手順
思考法のポイント
一連の作業や出来事の流れを役割ごとに分け、結果を悪くしている要因を見つけ出し対策していく。
思考法の具体例
プロセス・シンキングの弱点
歯車の1つに欠陥があると不具合を起こしやすくなるように、情報不足によって途中の工程の1つが狂うだけでも誤った判断や解決策が見つかる可能性がある。
また、似たような問題に直面した際、個別の問題点を考えずに同じプロセスをそのまま当てはめて不具合を起こしてしまうこともあるので注意。
いずれにしても、問題に対する「情報収集」と「検証」をしっかり行うことが大切。
6. バックワード・シンキング(仮説・逆算思考)
思考法の概要
具体的には、ゴールから、そこにたどり着くために必要なプロセスやスタート地点を見つけ出していく。1つの推論から逆算して分析していくため「逆算思考」とも言う。
バックワード・シンキングの手順
思考法のポイント
出される結論に対して「なぜ?」を何度も繰り返して行き、だんだん情報の枝葉を細かく増やしていく。
そして、矛盾する事柄や確率の低い仮説をどんどん除外していき、根拠の精度を徐々に上げていく。
思考法の具体例
バックワード・シンキングの弱点
推察の出発点である仮説そのものが破綻していることも容易にありえるので、経験や知識を幅広く蓄えて、矛盾を素早く見抜く目を養っておく必要がある。
7. アナリティカル・シンキング(分析思考)
アナリティカル・シンキングの概要
アナリティカル・シンキングの手順
思考法のポイント
物事を細かく要素分解して得られた情報を、実現可能な形にできないか試行していく。また、「主観的な予想」ではなく、「客観的な事実」を情報として集めていく必要がある。
また、分析思考は「なぜその結果になるのか?」を明確にしていくだけではなく、「導き出された情報からまた新たな結果が生まれないか?」、までも予測していくことが求められる。
わかりやすく言えば、ただ情報を細かく要素分解するだけではなく、「こういう情報が出てきたけど、つまりどういうことなの?」を明確にしていくことが大切。
アナリティカル・シンキングの具体例
「この情報の価値ってなんだろう?」
「〜について、なにか課題はないだろうか?」
アナリティカル・シンキングの弱点
複雑な思考をしていくうちに「これはこうに違いない!」というバイアスからの憶測が出ることがあり、ただの憶測までも事実だと勘違いして定義づけしてしまうこともありえるので、バイアスには十分に気をつけておく。
分析することによって見えてきた1個1個のデータの整合性を、その都度細かく精査していくことが大切。
8. アナロジー・シンキング(類推思考)
思考法の概要
異なる領域からのアイデアや概念を取り入れることで、新しい視点や解決策を見つけることができる。
アナロジー・シンキングの手順
思考法のポイント
物事を細部まで観察し、仕組みや構造を理解するクセを身につけておく。分析思考とあわせて鍛えておくとよい。
また、「共通点」のみでなく「相違点」にも着目することで、新しい発見をする場合もある。
思考法の具体例
アナロジー・シンキングの弱点
身につけるまでに時間がかかるわりにはリターンが少ない。「すでにあるものの中の共通点」という限定的な範囲での思考になり、既存のアイディアの中からしか新しいアイディアが生まれにくい。
また、見ている範囲も狭いため、予想外の事態にも気づきにくくなる。
あらゆる側面から物事を考える「ラテラル・シンキング」と組み合わせることで、「新しい可能性」にも気づきやすくなる。
9. コンセプチュアル・シンキング(抽象化・概念化思考)
コンセプチュアル・シンキングの概要
具体的には、その事物の「コンセプト」を定義づけし、役割を決定していく。
そして、物事の「目的」や「価値」「存在理由」「世の中にある意味」を突き詰めていき、自分なりの答えを導き出していく、いわば「哲学的」な思考法。抽象的なアイデアや概念を組み合わせて新しい洞察や理解を生み出していくことができる。
コンセプチュアル・シンキングの手順
思考法のポイント
「コンセプト」は「理念」「信念」「概念」「観念」の4つから構成されており、人によって解釈が様々できる。
- 「理念」・・「これはこうあるべきだ」と考える、物事の根幹になる価値観や思想のこと。
- 「信念」・・今まで生きてきた中で培ってきた自分が信じる価値観や思想のこと。自分の中にある真実。
- 「概念」・・同じ種類の分類の中で多く共通する性質的特徴のこと。
- 「観念」・・物事に対する考え、認識のこと。
思考法の具体例
コンセプチュアル・シンキングの弱点
人によって概念への解釈が異なる場合があるので、人と意見が衝突する場面も多くなりやすいので注意。
人とコンセプトについて議論する際は、「共通のゴールや目的」をまずははっきり定義づけてから議論に臨むのが大切。
10. コンテクスト・シンキング(文脈・背景思考)
コンテクスト・シンキングの概要
背景次第で、そのものに新しい価値が生まれることもある。
コンテクスト・シンキングの手順
思考法のポイント
物事の性質を知るために、その事物がある時代背景や場面、状況や設定などを深堀りしていく。
また、生産者側では、生産品や企業イメージにコンテキスト(背景)をうまく設定することによって、ブランディング化を促進させるのに活用できる。
思考法の例
コンテクスト・シンキングの弱点
「作られた背景」も多様にあるため、その事物の本質が捻じ曲げられていることがある。
クリティカルシンキングやアナロジーシンキングと組み合わせて、より「情報の精度」を高めていくことが大切。
12. デザイン・シンキング(設計思考)
デザイン・シンキングの概要
デザイン思考は、時代や様々な人々のニーズに合った新しいアイデアや価値を生み出すことが目的でもある。「人間中心」の解決策やアプローチ方法を模索していくための手法。
デザイン・シンキングの手順
「共感→定義→概念化→試作→テスト」の5つの思考プロセスがある。
思考法のポイント
「人間の心情に寄り添って」考えることで、課題の根本的な解決策を探っていくことが重要視されている。
「ユーザーのニーズや視点」を中心にテーマをとらえることが大切。
思考法の具体例
→「出てきたアイディアをつなぎ合わせて実用可能な形にする」
→「市場にいくつか試供品を出して反応のよかったものをより洗練させていく」
デザイン・シンキングの弱点
「今ある問題点をどう対処するのか?」が出発点であるため、「ゼロから新しい発明をする」には向いていない。
デザインシンキングは現状の問題解決にあて、新しいアイデア出しなどは他の思考法を使うのがおすすめ。
思考法 の 種類 まとめ
- ロジカル・シンキング(論理的思考):集めた情報をもとに矛盾の無い論理展開をしていく思考法。
- クリティカル・シンキング(批判的思考):バイアスや個人的な価値観を排助しながら、情報のエビデンスに疑問を持って精査していく思考法。
- ラテラル・シンキング(水平思考):普段全く使わないアプローチ方法や視点を使ってあらゆる方向へと発想の枝葉を広げていき、発見したアイデアをまとめ上げていく思考法。
- マルチフェイステッド・シンキング(多面的思考):様々な人物の「異なる視点」から問題の解決策を見いだしていく思考法。
- プロセス・シンキング(問題解決思考):物事の始まりから終わりまでの工程をマッピングしながらその過程の中で改善できるところを探っていく思考法。
- バックワード・シンキング(仮説・逆算思考):結果から想定し、その結果にいたるまでに必要な手順や乗り越えるべき課題への解決策を探っていく思考法。
- アナリティカル・シンキング(分析思考):状況や物事の仕組み、データを細かく分析して導き出された情報の価値や応用を見いだしていく思考法。
- アナロジー・シンキング(類推思考):複数の異なる分野に共通して使えるアイデアから新しいアイデアや解決策を見いだしていく思考法。
- コンセプチュアル・シンキング(抽象化・概念化思考):物事の概念を抽象化によって理解していき、概念同士を組み合わせることで新しい価値観やアイデアへの洞察を深めていく思考法。
- コンテクスト・シンキング(文脈・背景思考):事実の裏側にある背景を読み取り、その物事に対する付加価値を見いだしていく思考法。
- デザイン・シンキング(設計思考):様々な「ユーザー視点」でそれぞれのニーズに合った「人間中心」の解決策やアプローチ方法を見出し、新しい価値観やアイデアを生み出していく思考法。
さて、いかがでしたでしょうか。なかには、暮らしていく中で自然に使っている、または自然に身に付いていった思考法もあったのではないでしょうか。
ひとつの議題であっても、思考法によって様々な結論を出すことができそうで面白いですね。
また、人によって得意、不得意な思考法もあると思います。思考の質を高めていけるように、ぜひ自分に合った思考法を身につけていってください。
それでは。
「思考法」に関しては、こちらの記事もおすすめです。
〈今回の参考記事〉
- https://onl.bz/XBtfMJh(ロジカルシンキング)
- https://adhpublic.com/public-magazine/strengthsfinder/000163(分析思考)
- https://itinfoshop.com/abstraction-problem-solving/(抽象化思考)
- https://studyhacker.net/conceptual-skill(概念化)
- https://www.missiondrivenbrand.jp/entry/thinking_context(コンテクストシンキング)
- https://logicalthinking.net/context-shikou/(コンテキストシンキング)
- https://www.dodadsj.com/content/220427_design-thinking/(デザイン思考)
コメント